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街クラブが保育園を作った!エリア伊都FC(福岡県糸島市)のグローバル保育園とは?インタビュー

福岡県糸島市で活動しているジュニア・ジュニアユースサッカーチーム「エリア伊都FC」が2020年4月に保育園を開園します。
なぜ、今サッカーチームが保育園を立ち上げるのか?
エリア伊都FC代表の仙野さんと、エリア伊都FCジュニアユース監督でグローバル保育園の園長に就任する有坂さんにお伺いしました。

★エリア伊都グローバル保育園 2/1説明会開催 4月開園
↓本文は写真下から始まります↓

お聞きした人

エリア伊都FC監督
仙野元基さん

仙野 元基プロフィール

大分県大分市出身
東福岡高等学校・九州産業大学サッカー部
エリア伊都トップチーム所属

エリア伊都FCジュニアユース監督
エリア伊都グローバル保育園園長
有坂哲さん

有坂園長プロフィール

1975年生まれ
大学中退後、ブラジルにサッカー留学。
帰国後Jリーグのテストに受からず、20歳で指導者の道へ。
25歳でプレーヤーとして再挑戦するため、
知り合いのいないコスタリカに単身渡り、8ヶ月後に2部リーグのチームとプロ契約。
4歳~18歳の子どものサッカー指導歴は20年以上。

今、なぜサッカーチームが保育園を新しく作ろうと思ったのか?

ーーー本日はどうぞよろしくお願いします。
保育園、幼稚園がサッカースクールやサッカーチームを始める、という例はありそうですが、サッカーチームが保育園を作る、というのは珍しいと思います。
なぜ、保育園を開園しようと思われたのですか?

有坂さん
今まで「エリア伊都FC」というサッカーチームの活動を通じて、青少年の教育に携わってきた、と言えるかと思いますが、次は違うアプローチで子ども達の教育にも携われたら、という思いがありました。

現在も2ヶ所の保育施設でエリア伊都U-6というチームの活動としてサッカーの練習をしています。
ですから、未就学児の年齢のお子さんとの関わり合いは既にありました。

また、糸島市は保育所等に入所を希望しているのに、入所できなかった子どもさんが約300人、ここから特定園のみの入所を希望する人数を差し引いたいわゆる「待機児童」は100人前後と言われています。
これは全国的に見ても多い数字です。
このような地元地域の問題の解決に少しでも協力できたら良いな、という思いがあります。

今、エリア伊都にはジュニアチーム、ジュニアユース、そして社会人のチームがあります。
「糸島でずっとサッカーをする環境を作る。」ということから少し広げて「糸島で育って糸島で暮らす」というサイクルを作れたら良いなぁと思っています。

例えば、グローバル保育園を卒園後にエリア伊都FCでサッカーを続けようというお子さんもいると思います。
子どもの成長はゆっくりで、そして月単位で全然変わります。
保育園の年代から小学生、中学生と子ども達の成長を長いスパンで見ていけるのではないかと期待しています。
子どもにとっても、グローバル保育園で顔見知りのコーチがいるクラブでサッカーができるという安心感もあるかもしれません。
グローバル保育園が入り口になって、サッカーを本格的に始める子が増えたら、それも嬉しいですね。

そして、エリア伊都FCには社会人チームがありますから、大人になって社会人チームに戻って来てくれたり、一回糸島を離れても、家族が増えてグローバル幼稚園に子どもを入れようかなと戻って来れるような場所になれたらいいと思います。

エリア伊都グローバル保育園の特徴とは?

ーーー具体的には、どんな保育園になるのですか?

有坂さん
エリア伊都グローバル保育園は「企業主導型保育園」といって、2016年度に創設された内閣府主体の保育事業制度に基づいて運営する保育園になります。
内閣府の待機児童解消のための政策の一環で、認可保育園と変わらないくらいの補助がつきます。

受け入れるお子さんは0才から5才で、募集数は36名。
保育の先生は調理師の方を入れて12名ほどの方々に携わっていただきます。
エリア伊都グローバル保育園では、『「スポーツ」「語学」を通して『主体性』をゆっくり、じっくりと育んでいく』ということを理念として掲げています。

ーーー理念に掲げられている「スポーツ」というのは、具体的にどんなことをされるのですか?

有坂さん
「スポーツに力を入れる」というと、何かの運動を身に付けるために練習を重ねる、というイメージがあるかもしれませんが、そういうことは想定していません。

近所の大きな公園や園舎の屋上園庭などで、さまざまな遊びや運動ができるようにしたいと考えています。

私たちは元々サッカーチームを運営しているわけですが、チームの子どもたちを見てきて、小さい頃からサッカーのみでやっていくと成長幅があまりない、ということを感じています。

仙野さん
僕自身、子供の頃は水泳やラグビーをしていました。
サッカーを始めたのは小学校2年生くらいでした。
小さい頃に水泳やラグビーをやっていた、ということがサッカーの面でもすごく役に立ったという実感があります。
ですから、小さい頃は一つのスポーツに特化しないで、全身を自在に動かせるようなアプローチをした方が良いと感じています。

一日の流れとしては、毎日午前中に簡単なダンスやボール遊びなどをして体を動かします。

そして午後にサッカーを中心とした体を動かす日と、1時間くらい語学にまつわる日、というスケジュールを考えております。

また、エリア伊都のジュニア・ジュニアユースチームの子たちと一緒の活動などもできたらいいなと思います。
チームの中学生の職場体験とか。
小学生・中学生にとっても未就学児の子どもたちとのふれあいは、とても良い経験になります。

ーーー語学もグローバル保育園の理念の一つに掲げていますね。

有坂さん
はい、語学といっても、「英単語を覚える」とか「英語を流暢に話せるようにする」といったアプローチではなく、子どもたちが将来糸島を出て広い世界で活動するような際、外国の方とのコミュニケーションを恐れることなく接することができるような体験を小さな頃から積んでいけたらと思います。

ネイティブの方とのコミュニケーションの時間だったり、いろいろな国の文化に触れる体験、さまざまな国も料理をみんなで食べてみるなど、そういう体験を重視していくつもりです。
特に福岡は国際都市という一面があるので、海外の文化に触れたり海外の方とのコミュニケーション能力を伸ばすには良い環境にあると思います。

ーーー他にもグローバル保育園の特徴として考えておられることはありますか?

有坂さん
そうですね、働き方改革ということも視野に入れて、イベントごとの発表会や運動会などの保育士の負担軽減、ということも考えています。
出来るだけ残業を減らすようにしていきたいです。
発表会や運動会の練習や準備などで保育士がピリピリしていると、その空気感は子どもに伝わります。
子どもたちが、大人の顔色を伺うようなことが無いようにしたいです。
発表会などに力を入れるよりは、外に出て糸島の海や山で遊んだり、糸島で面白い活動をしている方達のところで体験をさせてもらったり、という方に力を入れていきたいです。

グローバル保育園への想い

ーーー有坂さんは、元々、エリア伊都FCジュニアユースの監督をされています。この度保育園の園長さんになる、ということはどんな風に捉えていらっしゃるんですか?

有坂さん
責任あるポジションですし、最初は大変だろうと思います。
保育園で働いた経験も無いですし。
ですが、保育の世界にいなかった自分、いろんな世界(※編集部注ブラジルやコスタリカなど)に行ってきた自分だかこそ、園長としてできることがあるのではないかと考えています。
巡ってきた話には乗っていこうという考えがありますし、新しく保育園を作って園長になる、ということにわくわくできたので、この際やってみよう、と。

園長をしつつ、ジュニアユース監督は継続します。
園の子ども達に、間近で大人がチャレンジしているところを見せていけたらと思います。

幸い糸島には陶芸や音楽、楽器などを専門でされている方がたくさん集まっています。
そういった外部の方のご協力も得ながら、一緒に新しい保育園を一から作り上げていきたいと思います。

ーーーエリア伊都FCとしては、グローバル保育園をどのように捉えているのでしょう?

仙野さん
街クラブはボランティア指導者や、家族・仕事の時間を削って指導をしてくれているコーチなどに頼っている面があります。
専業でコーチができる環境にある人は数少ないのが現実だと思います。
サッカー指導者を自信を持って「仕事」にできる環境を作りたいと以前から思っていました。

また、街クラブの運営を安定させようと思ったら、選手の人数や月謝の金額に頼ることがメインになってしまう現実があると思います。

しかし、日本では少子化の問題が連日取り上げられている中、街クラブの運営を安定的に続けるには、この先サッカー以外の事業を始めていかないと、長続きしないのでは無いかという懸念がありました。

エリア伊都としては、サッカークラブの運営とグローバル保育園の運営の2つのアプローチで両立していき、より地域に必要とされるクラブを目指していきたいと思っていす。

ーーーサッカークラブが保育園を作る、というエリア伊都さんの新しいチャレンジを、これからも楽しみに見守っていきたいと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

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寄稿者プロフィール

統括編集長/オウンドメディア事業部江原 まり
長野県出身。
ライター歴11年。
子育て系メディアにて、主に教育、引越し、子育て全般についてのコラムを100本超執筆。
2016年からジュニアサッカーNEWSにて執筆開始。
2017年10月より副編集長、2019年4月より統括副編集長/戦略事業部。
2022年1月より統括編集長/オウンドメディア事業部。

自身もサッカー少年の母です。
保護者目線で「保護者が知りたい情報」を迅速にお届けするため、日々奮闘中。

いろいろな方の貴重なお話を直接聞けるこのお仕事にわくわくさせてもらっている毎日です。

できるようになりたいこと、勉強したいことが山のようにあります。
一つずつチャレンジしていきたいと思います。

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