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オンライントレーニング・動画配信の実施チームに聞きました!どんな風にやっているの?選手・保護者の反応は?

(この記事は再掲です)

活動自粛を余儀なくされている全国のチームのみなさん。
緊急事態宣言が延長されチーム練習が行えない中、オンライントレーニングや動画配信を利用したチーム活動について興味を持たれている方も多いでしょう。

そんな方たちへ向け、先行してオンライントレーニングや動画配信を実施しているチームに、事前の準備、注意する点、実際に実施してからのスタッフや選手・保護者からの反応などを教えていただきました。

<目次>

  • ワンソウル福岡(福岡県)
    ZOOMを使っての中高生向けオンライントレーニング、小中高校生向けYoutube動画配信
  • 西宮SS(兵庫県)
    YouTube、公式LINEを使って課題提出、ZOOMを使ってオンライン会議
  • ドイツブンデスリーガ下部組織所属選手の事例
    現地在住ライターさんからの寄稿

ワンソウル福岡(福岡県)

お話:中田雄一朗監督

やっている事

中高生選手向けにzoomを使ったオンライントレーニングを実施
https://onesoul.jp/2020/04/13/post-13764/

サッカーで必要な「対話する力」を高めるために続けている「対話の授業」もオンラインに移行。
https://onesoul.jp/2020/04/17/post-13810/

小中高校生に平日毎日youtubeで動画を配信(限定公開)

—なぜこうした取り組みを始めようと思われたのですか?
緊急事態宣言が発令された時点で、クラブとして今後どうしていこうかと熟考しました。
僕たちは常日頃から選手たちに「生きていたら困難や苦難に遭遇することもある。しかし、それらは全て自分が成長するための機会だ」と伝え続けてきました。

ですから、こうした状況の中で、我々指導者が歩みを止めて、練習再開日をただ待つというのは、選手たちに指導者としての背中を見せていない事になるのではないかと。
こんな状況だからこそ、出来ることにトライする姿勢を示そうと思いました。

—どんな準備をしましたか?
まずはzoomのアプリをダウンロードしてもらう案内などを保護者lineグループを通してお願いしました。
それから、事前に2回ほど接続テストの日を設け、全員が確実に接続できるかを確認しました。

ワンソウルでは平日の午前中に毎日オンライントレーニングをしよう!と決めたので、その時間に対応できるスタッフのスケジューリングを決めました。
誰が、いつ、何を提供するかという内容も事前に打ち合わせして、選手たちにはHPを通して告知しています。
https://onesoul.jp/2020/04/11/post-13745/

スタッフの分担

・トレーニングの見本を示す人
・司会進行、トレーニングのカウントを数えたり、画面を見ながら選手に声をかける人

進行役の二人は同じ場所から進行していきます。
やってみたところ、一人では厳しいかなと感じました。

毎回僕(※監督)は別の場所からzoomを通して選手と同様にトレーニングに参加して、写り方をチェックしたり、ちょっとした気づいたことを投げかけたりしています。

—zoomでのオンライントレーニングで注意していることはありますか?
司会進行のコーチが、画面に映る選手たちを見ながら声をかけて、できるだけ「みんなで一緒にやっている」というリアル感が出るといいなと思ってやっています。

「〇〇君、しっかり足があがってていいですよ!」とか「〇〇君、きれいにできてます!」とか。
その声かけはダメ出しは絶対しない、というのも気を付けています。
名前を挙げながら声をかける、というのが良いみたいですね。
「自分の名前が呼ばれると嬉しい」
「友達の名前が呼ばれると、自分ももう少し頑張ろうと思うみたい」
という保護者の声をいただいたりしています。

細かい修正点はその都度出てくるので、オンライントレーニングが終わると、そのあとにスタッフと僕でミーティングをします。
そこで「ここでもう一回見本を示したほうが分かりやすい」とか「この角度から写した方がいい」とか「音楽が聞こえにくい」などフィードバックをしてブラッシュアップするようにしています。

メニューも毎日変化を付けていて、筋トレ、ライフキネティック、プリズナートレーニング、タバタ式トレーニング、体幹トレーニングなどを日替わりで組んでいます。
その方が子ども達が飽きないかなと思って。

あと、意外とバッテリーをくうので、予備のバッテリーは必ず持つようにしていますね。

—やってみて、スタッフの皆さんの感想は?
1週目はとにかく試しにやってみる感じでしたが、2週目はだいぶ慣れてきました。
1週目はちゃんとzoomが繋がるのかという点が心配でしたね笑。
普段は選手と一緒のピッチで、現場の空気感を感じながら練習を調整しているところが、画面を通してだとそれが掴みにくいので、最初はすごく気を使いました。
でも、コーチたちも楽しそうですよ。
新しいことにチャレンジしているというのが楽しいんじゃないですかね。
暗いニュースが多い中で、少しでも子ども達に活気や元気を与えられている、というのは嬉しいですし、コーチ陣のモチベーションも上がります。

—保護者や選手からの反応はどうですか?
「毎日午前中の同じ時間に始まることで1日にメリハリができた」とか、「友達の顔が見れて嬉しいみたいです」とか「子どもの顔が明るくなった」というような感想をいただいています。
子ども達からは「ボールを使ったトレーニングも入れて欲しい」というような要望ももらいました。
マンションなどにお住まいの方もいるので、ボールを使ったメニューが難しいなぁと思って、ボールタッチやリフティングなどは動画に撮ってyoutubeにアップして、宿題として渡しています。
小学生は宿題が好きみたいです笑

—動画配信の方では何か気を付けているところはありますか?
みんな家の中から見ていると思うので、できるだけ撮影場所は広がりがあって、気持ち良い感じがするような場所で撮るようにしていますね。
天気が良い日に、芝生の上で、青い空が見えるような。
少しでも外を感じながらトレーニングしてもらえたらいいなと思って。
外で撮影するので、風がすごいと音が流れちゃって聞こえにくかったりするので、そこは注意しています。
楽しく飽きずに取り組んでもらいたいので、お笑い要素もいれています笑

—これからはどんな展開など考えていらっしゃいますか?
今は、毎日1つのメニュー(例えば筋トレの日とか)に絞ってやっているのですが、選手達がスムーズにできるようになってきたら、それらを組み合わせたメニューができたらいいなと思っています。
あと、「対話の授業」という話し合いも中高生合同でzoomで上手くできたので、サッカーIQを高めるためのミーティングなどにもチャレンジできたらいいなと思っています。
これはもともとやらないといけないなと感じていたのですが、今までは練習や試合で時間に追われてできていませんでした。
ですから、新しいチャレンジを始めるのに良い機会だととらえています。

練習再開の日は必ずやってきます。
その時に、これまで以上に質の高いトレーニングができるよう最高の準備をしていきたいと思います。

—ワンソウル 中田監督、ありがとうございました!

西宮SS

お話:西宮サッカースクール杉田勝彦コーチ( u12 )

やっている事

・Youtubeチャンネルの立ち上げ
西宮SSチャンネル
SS TV Nishinomiya #01-07
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_b7zrtBYm-bNj9iVPlTxun09zH6tz8PU
・公式LINEを作って選手から動画を送ってもらう仕組みを導入
・zoom会議の導入

—なぜこのような取り組みを始めたのですか?
当クラブではジュニアからジュニアユースまで緊急事態宣言発令以降は活動を自粛しています。

周りの他のチームも当然活動を自粛中ですが、兵庫県を代表する街クラブの取り組みとして、この活動自粛期間中に子供たちの健康維持やストレス発散、運動能力低下の防止やモチベーションアップにつながればとの思いから始めました。

有事の時には、自分たちにできること、新しいアイディアを考えて「子どもたちにサッカー以外の指導で何ができるのか」ということを、指導者は試されていると思います。
ここでどういう取り組みができたかで、今後の信頼関係を築いていくことにも繋がるのではないかと。

活動自粛期間中でも「日本一自主練習をしているサッカー大好きジュニアが集まるクラブチーム」を目指しているのですが、それと同時に地域の他のクラブチームとも情報交換しながら、今街クラブが出来ることを模索中です。

—動画配信ではどのようなことをしていますか?
動画配信ではYoutubeを使って、コーチから宿題を配信したり、普段グランドでは話せない指導の話を配信したりしています。
また、公式LINEで子供たちの自主練習動画を募集し、それを編集してYoutubeチャンネルでシェアして共有したり、送られて来た動画をzoom会議などでコーチとシェアし、その様子を録画して、子供たちや保護者へのアドバイスやコメントという形で動画配信するということもしています。

子ども達の自主練習動画の提出方法も動画にして配信しています。

—最初からこの形で始められたのですか?
活動が休止になった最初のころは、一人ひとり会いに行ったり、コーチはこの公園にいるよとお知らせして一緒にボールを蹴ったり、「今どうしてる?」と話したり体調の事を聞いたりしていたのですが、だんだんそれも難しい状況になりました。

一人ひとりだと時間も限られてしまうし、一つの学年だけやっていると他の学年との不公平感も出てしまいますし。
それで全員に同じような提供ができる方法を探して、こうした動画配信や公式LINEでの選手とのやり取りに移行しました。

—皆さんの反応はいかがですか?
まだスタートして1~2週間程度ですが、子どもたちや保護者の皆様の意識も高く、動画がどんどん投稿されています。

動画再生数やチャンネル登録者、投稿数はかなり増えてきており、内容もレベルもどんどん上がっています。
(※編集部注 4/25現在、チャンネル登録者数2070人)

保護者の方たちからは、
「モチベーションも目的も失っている時に、こういう事がすごくありがたい」
「笑顔が増えた」
「公式LINEを通して個人アドバイスをもらえるのが嬉しい」
などの言葉をいただきました。

一人でトレーニングをやっていると、「このやり方で合っているのか」ということや、「どうやったら上手にできるようになるのか」が分かりにくいので、コーチからの「ここをこうやったらうまくなるよ」とか「上手になったね」というフィードバックのコメントを喜んでいただいているようです。

選手は自分の動画を撮影し、自然と自分のトレーニング姿を見ることになりますね。
普段はなかなか自分の練習を見ることはないので、「思ったよりできてない」とか「もっとこうした方がいい」など、客観的に見れるので良い機会にもなっているようです。

—公式LINEを始めたのは何か理由があるのですか?
LINEグループだと、動画を提出するにもどうしても他の人の目が気になって躊躇してしますようです。
公式LINEだとアドバイスを返すこともできますし、1対1で相談がしやすいようですね。

—動画を作成するのは大変ではないですか?
それがそうでもないんですよ笑
僕は全てiPhoneだけでやっています。
撮影も、編集も、投稿も、指導者のzoom会議全部ケイタイでできます。
アプリなどを使ったら簡単にできます。

—今後の展望などありますか?
目標にしていたたくさんの大会が中止になってしまいました。
ちびりんやダノン、フジパン、ニューバランスなどなど・・・
コロナが落ち着いた時に、そういう大会の替わりになるような大会を開けたらいいなと、そんなことを考えています。
当クラブのOBに日本代表の堂安選手がいるのですが、クラブの発信を見て何か子どもたちに励ましのアクションなどをもらえたら、子どもたちも喜びますし、嬉しいなぁと思っています。

—西宮サッカースクール杉田勝彦コーチありがとうございました!

ドイツでは?

ドイツ在住ライターTorさんから情報をお寄せいただきました。

今は今までやってこなかったリフティングや、10キロ走、ドリブルなど地味にやっていますが、未だサッカー場もクローズしたままで、開催日は未定。公園も立ち入り禁止のテープが貼ったままで、ボールを蹴ることも許されていません。サッカーすると人が集まるので。今は二人以上で歩くのが禁止されています。注)例外含む)このまま今年はサッカーが出来ないんじゃないか?また、サッカーのあり方自体が大きく変わるんじゃないか?と。

サッカー留学出来た学生さんもどっと帰国し、現在チームもどんどん潰れています。また監督やトレーナーも解雇されていて、今後「サッカー選手」という職業はもうなくなるんじゃないか?と思うくらいです。

子供はそんな心配もどこ吹く風?!と毎日ボールを触ってはいますが、サッカーも大事ですがこのコロナで世界の常識が一転してしまった今、の状況を乗り越える柔軟性を養って生きてほしいと思っています

息子さんが家でやっているアプリや監督から出ている課題などを教えていただきました!

dfb Training (コーチ推奨、フットネス系です)
https://www.dfb.de/trainer/artikel/individuelle-fitness-den-rumpf-stabilisieren-2388/?no_cache=1

Schalke 04

Danicup Brazil
https://instagram.com/danicupbrasil?igshid=syxsse2zyr57

Nike Living Room Cup in Real Madrid

最後に

活動自粛が続く中、さまざまな制限がある中でも、新しいことに果敢にチャレンジしていくという二つのチームの取り組みを紹介しました。
全てのチームが同じように実施することは難しいかもしれませんが、ピンチの時にも何かできることはないだろうかと模索している方に少しでも参考にしていただければと思います。

うちはこんな取り組みをしているよ、というチームさんがあれば、ぜひお知らせください!

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寄稿者プロフィール

統括編集長/オウンドメディア事業部江原 まり
長野県出身。
ライター歴11年。
子育て系メディアにて、主に教育、引越し、子育て全般についてのコラムを100本超執筆。
2016年からジュニアサッカーNEWSにて執筆開始。
2017年10月より副編集長、2019年4月より統括副編集長/戦略事業部。
2022年1月より統括編集長/オウンドメディア事業部。

自身もサッカー少年の母です。
保護者目線で「保護者が知りたい情報」を迅速にお届けするため、日々奮闘中。

いろいろな方の貴重なお話を直接聞けるこのお仕事にわくわくさせてもらっている毎日です。

できるようになりたいこと、勉強したいことが山のようにあります。
一つずつチャレンジしていきたいと思います。

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