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「指導者は学びと洞察力がカギ」元サッカー日本女子代表監督 佐々木則夫さんオンライン授業で全国の高校部活指導者に向け贈った言葉とは?

高校生アスリートへエールを送る「明日へのエールプロジェクト」がインハイ.tvと公益財団法人全国高等学校体育連盟により開始されました。
このプロジェクトは全30競技の部活動を行う高校生に向け、アスリートや全国の有志からのエールを届けるという取り組みです。

2020年6月12日(金)には元サッカー日本女子代表監督 佐々木則夫さんを講師に迎えた第4回目が開催され、全国高校教職員(部活動顧問)の皆様に向け、熱い講義が行われ「こうした大変な時こそ指導者のみなさんの力が必要。皆さんの大変な状況も重々わかっているがそんな中でみなさんが頑張っているから日本のサッカーが守られている」と温かい励ましの言葉が贈られました。

(オンライン取材/江原まり)

↓佐々木さんのお話詳細は写真の下に続きます↓

講師は元サッカー日本女子代表監督 佐々木則夫さん

佐々木則夫氏プロフィール

現役時代は主にMFとしてプレー。
学生時代には主要大会で好成績を収め、主将を務めるなど活躍した。
大学卒業後はNTT関東(大宮アルディージャの前身)で社員として働きながらプレーし、日本サッカーリーグ2部(現J2)昇格を果たす。
33歳で現役引退後は、大宮アルディージャの初代監督をはじめ、数々のフロント業務に携わった。
躍進し始めた日本女子代表の更なる強化を求めてコーチとして白羽の矢が立ち、そのおよそ2年後には監督に就任。
指導者としての才覚を発揮し、男女通じてアジア初のワールドカップ優勝、五輪銀メダルなど、歴史に残る戦績を積み重ねている。
現在は古巣・大宮アルディージャでトータルアドバイザーとして活動する一方、十文字学園大学にて副学長、びわこ成蹊スポーツ大学にて特別招聘教授として教育現場でも人材育成に携わっている。
2019年サッカー殿堂入り。
オンラインエール公式サイトより

司会進行はスポーツジャーナリストの生島淳(いくしま・じゅん)氏が担当されました。

オンライン授業は、全国から参加応募された指導者さんからの質問に、佐々木さんが答えるという形式で進められました。
まずは、誰もが一番気になる所でしょう、名将佐々木監督が指導者として何を一番大切にしているのか?について質問がありました。

指導者として一番大切にしていることは?

「指導者というのは、様々なことがあった時に、考えて導いていかなければいけない立場にある。サッカーの準備にしても様々に変化していく。そのためには、洞察ということが一番大事。」

と述べられました。
そして、コロナの影響で例年と違った対応を求められていることに言及し、

「洞察しながら選手たちをよく見て、立ち振る舞うことが大事。
指導者として、誰も経験したことがないことが今起こっている。そこでどんな振る舞いをするか問われている。洞察力を磨いていかないとどんなカテゴリーの指導もうまくいかないと思う」

と述べられました。

またご自身は「学び」を常に大事にして指導をしてきたということで、「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない 」というロジェ・ルメール氏(元フランス代表監督)の言葉を紹介。

「いつも一歩一歩、指導者自身も勉強し、選手と一緒に進んでいく。自分が学ぶことをやめないということが大事」

と、語りました。

チームを作っていく上で一番大事にしていることとは?

「特にサッカーという競技は野球やバレーと違って、指示待ち系ではない。自分からチームと関わることで、その楽しさをチームに反映できる。
サッカーの基本がどれくらいできるかということはあるが、それを追求していると時間がかかりすぎてしまう。
サッカーが多少でもできるのであれば、関わる楽しさを育みながら、チームの目標を設定し、そこへ導くようにしたら良いのではないか。
短期的、中期的、長期的目標を立ててあげる。
チームの進捗状況をみて、目標が前に戻ることは全然怖くないこと。頭でっかちではなくて、そういう要素を大事にして、小さな目標を達成できたらしっかり褒めていくようにしている。
小さな目標、短期目標がクリアできたら、やる気がさらにわく。
そうやってやる気を高めていくのも良いと思う。」

と自身の監督経験で具体的に取り組んできた目標設定の手法を紹介されました。

サッカー未経験の指導者は?

また、サッカー経験がないという指導者の方に対しては、

「サッカーが未経験であっても、人生の経験がある、スポーツ全体は大きく変わりはない。学ぶという姿勢からすれば、サッカーが未経験ということむしろ素直に真っ白の状態から学べるという良い部分もある。
周りに学ぶべき対象はたくさんいる。
多くの女子の指導者さんが未経験の方も含め、色々な連携をして教え合っている。経験がないということをそんなに恐れないで。
外の競技をやってきて、とても良いサッカーの指導者になっている方もたくさんいらっしゃる、ぜひ頑張ってほしい!」

と熱いエールを送られました。

インハイの中止などを受けて選手の気持ちが落ち込んでいる時は?

コロナの影響インハイの中止などを受け、乗り越えるためにどうしたらいいかという質問には

「なでしこを率いていた頃のことでは、この大会に出ないといけないとい状況の中、予選敗退になったことがあった。
選手たちもクリアできなかった、乗り越えられなかったということを言っていた。
しかし、私はそのような場面を乗り越える、ということではなくて、受け止めてほしい、ということをよく言っていた。

今、コロナの状況が(インハイ中止や)こういう風になってきてしまっているので、乗り越える、というよりも、まずは受け止める。受け止めるうちに最終的に乗り越えられていた、ということなのかなと思う。」

と思いを述べました。
なでしこも東日本大震災で思うように活動できなかった時期を振り返り、

「それぞれに練習やコンディショニングがまばらな中、各所属チームの一貫性は持てなかった。しかし焦らず、選手間のコンディションが違うことは覚悟しながら調整していく。
サッカーができる喜びを感じながら、世界と戦えるという2011年は、全試合みなさんに見てもらえることがわかっていたので、勝つ負けるよりも、前向きなプレー、前向きな姿勢を見せようという一致団結があり、あれよあれよというまに試合を通して成長し、優勝することができた。」

また、練習が思うようにできなかった現状を踏まえ、丸山桂里奈選手の例を挙げ

「彼女は瞬発力と持久力があったら、もっと長い時間出られるのにと思っていた。2011年の東日本大震災の時に、思うように練習できず、次に会ったらすごく持久力が上がっていた。
走る練習しかできなかったから。
彼女はピンチをチャンスに変えた」

とのこと。

練習量の低下した期間が長く続いた時、注意点は?

また、長い期間におよぶ活動量の低下に関しては、

「こうした際に体重の増加という問題がある。体重の増加は膝の故障に繋がることもあるから、十分に膝周りのケアをしてほしい。前十字靭帯損傷などに繋がることもあるので、指導者の方は重々気をつけてあげてほしい。特に急にたくさん試合をするような事は要注意。」

との注意喚起をされていました。

指導者のみなさんとの対話の様子は、動画で公開されます。全てのお話を聞きたい方はぜひ、動画をご覧ください。(夜8時過ぎに公開予定です)

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最後に

男子選手と女子選手という違いについては「フィジカル面では6割くらいの違い」を意識しているという佐々木さん。

「女子チームだからと言って、特にこれをしないといけない、というのはない。むしろあまりそこに気を取られすぎると、指導者の良さが出なくなってしまうと思う。常に洞察力を駆使して選手をみて、常に学び、反省して次に繋げていけば良い」

とおっしゃっていました。

オンライン授業では、自然体で柔和な笑顔のお人柄に加え、強い信念を感じさせる言葉の力強さに勇気付けられた指導者さんも多かったのではないでしょうか。

この「オンラインエール授業」という企画は、「インターハイ全30競技の高校生とトップアスリートが、部活動のいまとこれからを一緒に話し合うオンライン授業」と銘打たれているように、高校生自身の生の気持ちに、数々の困難な状況を乗り越えてきたトップアスリートたちが、自身の経験を伝えながら、一緒に答えを見つけていくための対話の場です。
まだまだ参加の申し込みができる回もあります。
興味のある方はぜひ申し込みをしてみてください。
今しか聞けないお話をたくさん聞けるはずです。

申し込みはこちら

寄稿者プロフィール

統括副編集長/戦略事業部江原 まり
長野県出身。
ライター歴9年。
子育て系メディアにて、主に教育、引越し、子育て全般についてのコラムを100本超執筆。
2016年からジュニアサッカーNEWSにて執筆開始。
2017年10月より副編集長、2019年4月より統括副編集長/戦略事業部。

自身もサッカー少年の母です。
保護者目線で「保護者が知りたい情報」を迅速にお届けするため、日々奮闘中。

いろいろな方の貴重なお話を直接聞けるこのお仕事にわくわくさせてもらっている毎日です。

できるようになりたいこと、勉強したいことが山のようにあります。
一つずつチャレンジしていきたいと思います。

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