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【女子編】高校サッカー部でスタメンになるのが一番難しい県は?盛んな県は?人気度は?

高校女子サッカー部において、試合出場難易度が一番高い県は何県だと思いますか?
また、高校女子サッカー部が一番盛んな県や一番人気がある県は一体何県でしょう?

令和元年度に全国高等学校体育連盟から発表された加盟・登録状況のデータから、その謎に迫ります。

↓本文は写真の下から始まります↓

~CONTENTS~
高校女子サッカー部が一番多いのは…
高校女子サッカー部でスタメンになるのが一番難しいのは…
高校女子サッカー部が一番盛ん且つ人気があるのは…
高校女子サッカー部が一番盛んなのは…
高校女子サッカー部が一番人気あるのは…

高校女子サッカー部が一番多いのは…

そもそも、各都道府県に女子サッカー部がある高校は何校あるのでしょうか?
地域の括弧内の数字は、高校女子サッカー選手権に出場できる地域代表チーム数です。

【女子サッカー部がある高校数】

地域 県名 校数 県名 校数 県名 校数 県名 校数
北海道(2) 北海道 29
東北(3) 青森 7 秋田 3 岩手 5 宮城 10
山形 13 福島 9
北信越(3) 新潟 13 富山 4 石川 6 福井 1
長野 12
関東(7) 茨城 21 栃木 13 群馬 17 埼玉 44
千葉 43 東京 52 神奈川 38 山梨 7
東海(3) 静岡 21 愛知 26 岐阜 2 三重 21
関西(4) 滋賀 5 京都 8 大阪 45 兵庫 24
奈良 6 和歌山 2
中国(3) 広島 18 岡山 8 山口 5 鳥取 9
島根 8
四国(2) 徳島 9 香川 5 愛媛 9 高知 3
九州(4) 福岡 16 佐賀 5 長崎 5 熊本 10
大分 7 宮崎 17 鹿児島 11 沖縄 28


一番多いのは52校の東京都、一番少ないのは1校の福井県でした。
つまり、東京都で全校参加のトーナメントを行った場合は勝ち上がるまでに6試合必要なのに対して、福井県は県大会なしで代表が決定いたします。

15校以上あるのは、東京都(52校)、大阪府(45校)、埼玉県(44校)、千葉県(43校)、神奈川県(38校)、北海道(29校)、沖縄県(28校)、愛知県(26校)、兵庫県(24校)、茨城県(21校)、静岡県(21校)、広島県(18校)、群馬県(17校)、宮崎県(16校)、福岡県(16校)の15都道府県。3校以下は福井県(1校)、岐阜県(2人)、和歌山県(2校)、秋田県(3校)、高知県(3校)の5県でした。

また、地域大会から全国大会への出場を果たすのが一番たいへんな激戦区は、235校から7校しか出場することのできない関東(2.98%)、次いで99校から4校出場の九州(4.04%)、そして70校から3校出場の東海(4.29%)でした。

※ 各県ごと校数にばらつきがあるため、女子サッカー部がある高校数の全国平均15校以上の県を統計的に有効な数字であるとみなし、以下のグラフに星印を明示しました。

高校女子サッカー部でスタメンになるのが一番難しいのは…

スタメンとして試合に出られる難易度を計るために指標として、各都道府県の高校女子サッカー部員数を高校女子サッカー部校数で割って、1校当たりの部員数を算出しました。さらに、1校当たりの部員数を11で割って、ひとつのポジションを何人で争うかを算出しました。

【出場難易度ランキング】

順位 都道府県名 1校当りの部員(人) ポジション争い(人) 順位(15校以上)
第1位 福井 53.0 4.82
2位 富山 31.0 2.82
3位 高知 29.7 2.70
4位 山梨 26.1 2.38
5位 静岡 23.7 2.16 第1位
6位 宮城 23.4 2.13
7位 長崎 23.2 2.11
8位 石川 22.7 2.06
9位 群馬 22.3 2.03 2位
10位 三重 22.1 2.01
11位 愛知 21.8 1.98 3位
12位 埼玉 20.9 1.90 4位
13位 沖縄 20.5 1.86 5位
14位 東京 20.2 1.84 6位
15位 山口 20.2 1.84
16位 栃木 18.8 1.71
17位 兵庫 18.6 1.69 7位
18位 長野 17.8 1.61
19位 岐阜 17.0 1.55
20位 福岡 16.8 1.52 8位
21位 和歌山 16.5 1.50
22位 広島 16.4 1.49 9位
23位 青森 16.1 1.47
24位 岩手 15.8 1.44
25位 熊本 15.7 1.43
26位 徳島 15.7 1.42
27位 神奈川 15.4 1.40 10位
28位 鹿児島 15.2 1.38
29位 秋田 15.0 1.36
30位 山形 15.0 1.36
31位 京都 14.8 1.34
32位 佐賀 14.0 1.27
33位 鳥取 13.2 1.20
34位 大分 12.9 1.17
35位 愛媛 12.8 1.16
36位 千葉 12.7 1.15 11位
37位 大阪 12.6 1.14 12位
38位 岡山 12.3 1.11
39位 滋賀 12.0 1.09
40位 香川 10.6 0.96
41位 新潟 10.5 0.96
42位 茨城 9.7 0.88 13位
43位 福島 9.7 0.88
44位 北海道 9.3 0.84 14位
45位 奈良 8.7 0.79
46位 宮崎 8.5 0.77 15位
47位 島根 5.8 0.52


47都道府県の中で、スタメンとして試合に出る難易度が一番高いのは、女子サッカー部が1校のみの福井県でした。福井県でただ一つの女子サッカー部がある福井工業大学附属福井高校では、試合に出場できる11人を目指して、53人の部員の皆さんが日々切磋琢磨しています。

また、1校当たりの人数が11人に達していない県は、茨城県(9.7人)、福島県(9.7人)、北海道(9.3人)、奈良県(8.7人)、宮崎県(8.5人)、島根県(5.8人)でした。

15校以上ある都道府県に限定すると、スタメンになるのが一番難しいのは静岡県でした。令和元年度の高校女子サッカー選手権全国制覇を成し遂げた藤枝順心高校を始め、初代なでしこ半田悦子監督率いる常葉大橘高校、その他にも磐田東高校東海大翔洋高校など強豪校がしのぎを削っています。

高校女子サッカー部が一番盛ん且つ人気があるのは……

女子サッカー部が盛ん度と人気度の相関関係をグラフ化しました。
右上に行けば行くほどサッカー熱が高く、左下に行くほど低い結果になります。

【盛ん度と人気度の相関図】

盛ん度と人気度のデータの相関から高校女子サッカー部の傾向を探ってみると、沖縄県が名実ともに高い数値であることがわかりました。

沖縄県の次に高校女子サッカー部が盛り上がっているとみられるグループに属している、茨城県、千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県、大阪府、広島県などの大都市圏の数値が思ったほど高くなかったのは、もしかしたらユースクラブを選ぶ割合が多いからかもしれません。

高校女子サッカー部が一番盛んなのは……

相関図に使用した女子サッカー部の盛ん度は、女子サッカー部のある高校数を全ての高校数で割って、都道府県の規模に対する割合を算出しました。

【高校女子サッカー部盛ん度ランキング】

順位 都道府県名 盛ん度(%) 順位(15校以上)
第1位 沖縄 5.32 第1位
2位 宮崎 3.57 2位
3位 徳島 3.27
4位 鳥取 2.62
5位 千葉 2.62 3位
6位 埼玉 2.54 4位
7位 群馬 2.53 5位
8位 山形 2.50
9位 島根 2.45
10位 栃木 2.17
11位 茨城 2.09 6位
12位 大阪 2.07 7位
13位 静岡 1.96 8位
14位 神奈川 1.91 9位
15位 広島 1.87 10位
16位 山梨 1.85
17位 大分 1.76
18位 新潟 1.70
19位 愛媛 1.69
20位 東京 1.69 11位
21位 北海道 1.61 12位
22位 鹿児島 1.59
23位 奈良 1.54
24位 熊本 1.52
25位 長野 1.47
26位 三重 1.45
27位 兵庫 1.42 13位
28位 石川 1.35
29位 佐賀 1.34
30位 福岡 1.33 14位
31位 愛知 1.29 15位
32位 岡山 1.25
33位 香川 1.25
34位 宮城 1.22
35位 青森 1.21
36位 福島 1.18
37位 京都 1.13
38位 滋賀 1.04
39位 長崎 0.99
40位 山口 0.95
41位 富山 0.93
42位 高知 0.91
43位 秋田 0.83
44位 岩手 0.81
45位 和歌山 0.64
46位 福井 0.36
47位 岐阜 0.29


突出して割合が多いのは、沖縄県(5.32%)でした。
沖縄県の高校女子サッカーが盛んな理由は、以下によるようです。

広く普及している点について、県サッカー協会女子サッカー技術部長の高嶺朝也氏は「他県と比べて私立のサッカー部が少ない」と意外な分析する。公立校では5年ほどで指導者が異動になる。異動先で部を発足させ、普及につながったという。中体連加盟の8チームは全国で一番の数だ。

日本代表が優勝した11年のワールドカップ(W杯)前後は、JFAから女子の普及・選手育成のための補助金が多く支給され、誰でも気軽に参加できるサッカーフェスティバルを年に2~3回実施してきた背景もある。

12~16年に県が実施した芝生管理の専門家を育てる芝人(しばんちゅ)養成事業で練習環境が向上したことも人気を加速させた。高嶺さんは「個人力も間違いなく上がっている」と語る。ナショナルトレセンに選ばれる選手は年々増加傾向にある。

(引用:琉球新報

その次に多いのは宮崎県(3.57%)、徳島県(3.27%)でした。

宮崎県には、2019年度 宮崎県高校新人総合体育大会で5連覇を成し遂げた宮崎日大高校や、九州Liga Student所属の都城聖ドミニコ学園高校、徳島には2019年度 全国高校総体 女子サッカー競技大会で3位に入賞した県立鳴門渦潮高校などの強豪校があります。

高校女子サッカー部が一番人気があるのは……

相関図に使用した女子サッカー部の人気度は、女子サッカー部員数を全ての体育会系部員数で割って、都道府県の規模に対する割合を算出しました。

【高校女子サッカー部人気度ランキング】

順位 都道府県名 人気度(%) 順位(15校以上)
第1位 沖縄 10.35 第1位
2位 徳島 5.60
3位 群馬 5.34 2位
4位 山梨 4.63
5位 鳥取 4.12
6位 埼玉 4.08 3位
7位 高知 3.87
8位 栃木 3.75
9位 静岡 3.70 4位
10位 山形 3.70 5位
11位 東京 3.20
12位 宮崎 3.12 6位
13位 千葉 2.89 7位
14位 広島 2.73 8位
15位 大阪 2.67 9位
16位 神奈川 2.67 10位
17位 富山 2.60
18位 三重 2.59
19位 鹿児島 2.55
20位 宮城 2.51
21位 石川 2.50
22位 長野 2.42
23位 大分 2.32
24位 熊本 2.31
25位 兵庫 2.16 11位
26位 青森 2.10
27位 茨城 2.07 12位
28位 愛媛 2.02
29位 佐賀 1.88
30位 愛知 1.80 13位
31位 新潟 1.79
32位 山口 1.75
33位 長崎 1.74
34位 福岡 1.70 14位
35位 福井 1.56
36位 岡山 1.55
37位 島根 1.53
38位 北海道 1.50 15位
39位 京都 1.41
40位 香川 1.33
41位 秋田 1.23
42位 和歌山 1.21
43位 岩手 1.21
44位 福島 1.19
45位 奈良 1.18
46位 滋賀 1.02
47位 岐阜 0.42


盛ん度と同様に、女子高生への人気度ナンバーワンは沖縄県(10.35%)でした。
なんと県内の体育会系女子高生10人に1人が女子サッカー部ということになります。2019年度 沖縄県高等学校総合体育大会で4連覇しているコザ高校を始めとして、全体的に女子サッカーの底上げがなされているのではないでしょうか。

次に人気度が高いのは、盛ん度が3位だった徳島県(5.60%)、そして群馬県(5.34%)でした。
群馬県といえば前橋育英高校がぱっと思い浮かびますが、前橋育英高校女子サッカー部2019年度 群馬県高校女子サッカー選手権大会6連覇を誇る強豪校です。

「ワンチームで戦う」パーソナリティー のしっかりした選手を~前橋育英女子サッカー部 大手監督にインタビュー

(データ参照:全国高等学校体育連盟

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最後に

現在、あまりサッカー熱が高まっているとはいえない秋田県、岩手県、和歌山県、福井、岐阜県の高校女子サッカー部ですが、沖縄県に女子サッカーが広く普及した理由を参考にするなどしてもっと活発になるといいですね。
女子高校サッカーというカテゴリーが、全莵道府県で活発になって盛り上がることを願っています!

写真:Pat_ScrapによるPixabayからの画像

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSWriterRie
埼玉県出身、静岡市在住。
2018年2月よりジュニアサッカーNEWSのお仕事を始めました。
ライター暦2年超えましたが、まだまだひよっこです。

むか~し、昔はサッカー少女だった時代もありましたが、現在は高校生の息子と中学生の娘の応援専門です。
(ごくたま~に、4級審判として、子供たちと一緒にグラウンドを走ることもありますが非常にレア?娘の小学生卒業を期に引退しようかと思いましたが継続!)

読んでくださった方にお役に立てるような記事・コラムを書けるよう、勉強中です。
どうぞよろしくお願いします♪

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