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『挑戦』~自立(律)した大人に成長するために~ 明秀学園日立高校サッカー部(明秀日立)萬場努監督インタビュー

(photo:明秀学園日立高校サッカー部Instagram

茨城県代表として、2019年度第98回全国高校サッカー選手権大会に出場をはたした明秀学園日立高校。2019年度大会は3年連続4度目の出場となりました。2019年度の茨城県内では県リーグも含め、すべて3位以内に入賞しています。弊社が独自調査した2019年度下半期みんなが見てる高校サッカー部ってどこ?アクセスランキングの8位にランクインしています。

どんなサッカーを目指しているのか?どんな選手を求めているのか?監督の萬場努氏にお話を伺いました。

(電話取材・文/Rie)

↓本文は写真の下から始まります↓

萬場 努監督

明秀学園日立高校サッカー部監督 萬場 努氏
出身:千葉県柏市(1984年生まれ)
経歴:柏ラッセルFC→東海大付浦安高校→東海大学体育学部→JFL佐川印刷
資格:日本サッカー協会公認A級ライセンス

(参照:明秀学園日立高等学校サッカー部公式ホームページ

「日本一の達成」を目指して

—–明秀学園日立高等学校サッカー部はどんなサッカーをするチームですか?
本校サッカー部は「Strong and Technical」というスタイルを大切にしています。「Strong」は身体的また精神的に強いこと、「Technical」は高い技術力を指します。様々な試合や大会でこのスタイルを表現するためには、どんな環境でも力を発揮できる地力を身に付ける必要があると考え、私達は毎日の練習(日常)をとても大切にしています。

また、私達の目標は「日本一の達成」です。全国大会へは連続して出場することができるようになってきましたが、これから更に向上していくために「やりたいことができる」強い個と組織の育成を目指していきたいと考えています。「力強くボールを奪う守備」「主導権を握るため、ボールを保持する」「高い得点力」に磨きをかけ、目標達成に向けて練習に励みたいと考えています。

(photo:明秀学園日立高校サッカー部Instagram

—–本当に残念なことに、インターハイの中止が決定しました。選手たちの反応や、現在の活動はどうされていらっしゃいますか?
決定する前から中止の見込みが高いと判断し、目の前の勝ち負けが重要なのではなく、サッカーができる満足感を大事にするようにと選手達とは話をしていました。
また、高校でサッカーが終わるわけではないと、大学進学に向けて頑張るよう指導しております。

寮のある高萩市は今のところ感染者がいないので、保護者の理解をえたうえで、寮生は自宅には戻らずに自主練習という形で練習を継続しています。外出等も自粛しています。

合言葉は「挑戦」

—–具体的に、どんな新入生に入部してほしいですか?
「自分自身の可能性に挑戦する」人にぜひ入部して欲しいと考えています。私達の合言葉は「挑戦」であり、「将来、豊かな人生を送れるようになるために自らの発想で行動する人間となる」を理念としています。チームとしての目標を「日本一」に掲げているので、サッカーの競技力向上はもちろんですが、サッカーを通じて自分自身で考え判断し、行動できる、自立(律)した大人へ成長して欲しいと考えています。また、目標に対して自分自身でどう向き合い、努力できるかが大切だと捉えています。そういった「挑戦」をできる選手を待っています。

あえて言うなら「特長(武器)がある」「献身的」「明るい」選手に入部して欲しいと思います。近年、フィジカル面の強化に対する認知が増え、「武器にしたい」「苦手な面だから強化したい」と志してくれる選手が増えてきました。本校では「フィジカル」という言葉を、身体的接触や運動量、走力、ファイティングスピリットと捉えています。取り組んでいる筋力トレーニングも「自分自身の体を自由に動かす」という視点で行っています。そういった環境で、自分をタレント(強い個)と呼ばれる選手に成長させたい人を待っています。

余談ではありますが、本校サッカー部は基本的には希望全員が入部することができます。しかしながら寮の受け入れには部屋数に限りがありますので、入学に興味関心のある方は早めのお問い合わせをお願い致します。

—–明秀日立でサッカーをぜひやりたい!という場合はどうしたらいいですか?
例年ですと、GWから夏休みの終わりにかけて練習会を行っておりますので、そこに参加をしてください。学校見学の際も部活の体験ができます。ただ、今年度はコロナ禍のため時期がずれると思います。

もし、練習会に参加できなくても、学校に入学してから入部は可能です。
推薦制度を考えている方は、中学校を通してご連絡ください。

—–現在、大会が中止・延期されていますが、U-15世代のスカウティングはどうされていますか?
中学3年生になる前の情報をある程度持っています。ただ、この世代は伸び盛りであるので、やはり実際に練習会への参加を持って判断したいですね。もちろん、スカウティングだけでなくやる気を持って明秀日立に入ってくる選手たちにも、常に門戸を開いております。

「成長の機会」を大切にしてほしい

—–最後に、明秀日立自慢の選手をご紹介ください
本校サッカー部は選手の「成長(伸び率)」を大切な価値観としています。今回は2名の選手を紹介したいと思います。

まず、昨年度(2019年)で10番を背負い主将であった大山晟那という選手です。大山は小学生時代に鹿島アントラーズジュニアの主将として日本一を経験。その後、ジュニアユースで活動を続けましたが、その際にユースへの昇格ができないという挫折を味わいました。「身体を鍛えたい」という想いから本校進学を決意。入学後もプロになりたいという目標を追い続け、1年次から全国選手権に出場(3年間出場)しました。また、非常に「心」のある選手で、登校中に体の不自由な方の支援を続けていたことで私学協会の表彰を受けるなど模範的でした。目標であった「プロ」には高校卒業時点ではなれませんでしたが、その姿勢や行動は指導者として誇らしく感じています。

もう一人は同じく高校選手権でGKを務めた友野沖翔という選手です。友野を一言で表現すると努力の人です。彼に出場機会が訪れたのは選手権2週間前の10月中旬です。それまで正GKを務めていた選手が体調不良で大会出場が難しい状況になってしまいました。友野と面談を行い「選手権に出る覚悟があるか」という問いに対して、「骨が折れてでもチームのために頑張ります。」という答えがきました。今までの彼の努力が裏打ちされたその言葉に「友野に賭けよう」と迷いが吹っ切れたことを覚えています。

選手権大会では2回戦で神戸広陵高校に敗戦しましたが、県予選の準決勝ではPK戦で2本のストップ。初戦の高知高校戦でも再三のピンチをことごとく防ぐ大活躍でした。彼が取り組んできた3年間の絶え間ない努力は大山と同様にもの凄く価値のあるものと捉えています。

過程は人によって異なりますが、この「成長」の機会を本校サッカー部は大切にしたいと考えています。

△ 子供たちとスクール活動で交流
(photo:明秀学園日立高校サッカー部Instagram

明秀学園日立高校サッカー部 基本データ

【スタッフ】
監督  萬場 努
コーチ 小野 宗周
コーチ 松原 聖馬
コーチ 伊藤 真輝
GKコーチ 大塚 義典
ランニングコーチ 鎌田 大河

【部員】
116名(3年生:37名、2年生:41名、1年生:38名 2020年4月7日現在)

【2019年度 主な戦績】
茨城県高校総合体育大会サッカー競技 準優勝
全国高校サッカー選手権茨城県大会 優勝(3年連続4度目)
全国高校サッカー選手権大会 2回戦
高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ茨城 第3位
茨城県高校サッカー新人大会 準優勝

【強豪高校サッカー部】明秀学園日立高校(茨城県)

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最後に

明秀学園日立高校のサッカー部では、サッカーだけでなく、子供達と交流するスクール活動や災害時のボランティアなど地域に対する社会貢献を大事にされています。そういった活動が、「将来、豊かな人生を送れるようになるために自らの発想で行動する人間となる」ことに繋がり、地元の方々からも愛されているのだろうなぁ…と、選手権出場時に全農いばらきから山盛りの野菜とお米を頂いた写真を拝見して思いました。

(photo:明秀学園日立高校サッカー部Instagram

5度目の選手権全国大会の出場、日本一への目標達成を楽しみにしています!
ありがとうございました。

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSWriterRie
埼玉県出身、静岡市在住。
2018年2月よりジュニアサッカーNEWSのお仕事を始めました。
ライター暦2年超えましたが、まだまだひよっこです。

むか~し、昔はサッカー少女だった時代もありましたが、現在は高校生の息子と中学生の娘の応援専門です。
(ごくたま~に、4級審判として、子供たちと一緒にグラウンドを走ることもありますが非常にレア?娘の小学生卒業を期に引退しようかと思いましたが継続!)

読んでくださった方にお役に立てるような記事・コラムを書けるよう、勉強中です。
どうぞよろしくお願いします♪

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