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「ルーキーリーグ」だからできること MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 運営統括 伊藤誠氏インタビュー

全国の全エリアにルーキーリーグという高校1年生のためのリーグがあります。
参加しているのは、そうそうたる強豪校ばかり。
ルーキーリーグに入るための「参入リーグ」も全国に4つあり、勝ち抜かないと入れない狭き門でもあります。今や「中学3年生が必ず進路の参考にする」と言われているルーキーリーグでしかできないこと。それはいったいなんでしょう?

ルーキーリーグには全国大会があります。
西日本のルーキーリーグの立ち上げに携わり、全国大会であるMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 運営統括であるBlue Waveの伊藤誠氏にお話を伺いました。

お話を聞かせてくれた人

MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 運営統括
Blue Wave 伊藤 誠

香川県善通寺市出身。ミズノ株式会社に2014年4月まで所属。在職中は主に高校・大学チーム販促業務及び、Jリーグ契約クラブ担当(セレッソ大阪、サンフレッチェ広島、アビスパ福岡、徳島ヴォルティス、愛媛FC他)契約選手担当(森島寛晃、香川真司、青山敏弘選手他)としてサポート業務を務める。
2006年~ユース世代を対象としたミズノカップの企画、運営を主導。在職中に手掛けたイベントは100回近くに及ぶ。
現在は個人事業主として、「人と人を繋げ、より多くの方に喜びを共有させる事」をライフワークに各地で活動中。
Blue Wave sports concierge officeより抜粋)

「真剣な強化」だからできること

ーーールーキーリーグは全国各地にあるU-16のリーグです。全国大会まであるこのリーグをU-16で行う意味を教えて下さい。

伊藤 誠氏(以下、伊藤)
「U-16リーグは、もともと高校サッカーをもっと強化したいという各地の監督たちの熱意で始まったものです。

高校生になったばかりの1年生は柔軟で、まだ高校サッカーに3年の時間を残していますよね。つまり、高校サッカーにおいて未来がある、ということです。

強化しないと強くならないとしたら、3年生を強化するのと1年生を強化するのと、どちらが未来に残されている時間が長いか、という問題になります。1年生は多くの時間を残しています。ですから、1年生を強化する場がほしい。ルーキーリーグはそう思った監督たちが作り上げたリーグです。

1年生でルーキーリーグに参加し、各エリアの強豪を知った子たちが2年生になり、さらにチーム作りを行う。そして3年生になったとき、そのチームは他のチームとは違う仕上がりになっていると思うんです。
まだまだ一般的に、1年生は練習、2年生も練習、3年生で本番、というチームもあると思います。ところがルーキーリーグに参加できることで、1年生から真剣勝負のチャンスがあります。」

ーーー公式戦でないリーグは、練習試合になりかねないのでは…という見方もできそうですが。

伊藤
「練習着ではなく、試合用のユニフォームに身を包み、進学したばかりの学校の名前を背負ってピッチに立つ。入学式で会ったばかりのチームメイトと、チームを作って戦術を勉強しながらピッチに立つわけです。もちろん戦術が徹底されていることは難しい。この間まで中学生だった子たちですし。

でも、周りを見渡せば、真剣に全国を目指したり、全国を制覇したりしている学校のユニフォームを着た同学年がいるわけです。高校1年生と3年生は肉体的にも差があるかもしれませんが、ここにいるのは同学年だけ。「相手が上級生ばかりだった」という言い訳もできない状態です。

緊迫感とライバル心がある中で、1年間かけてリーグを行います。各リーグの優勝チームと準優勝チームは全国大会の出場権が得られます。」

▲2022年5月15日に行われた球蹴男児リーグの日章学園vs鹿児島実業の様子。4月に入学したばかりの彼らは試合を経て「チーム」になっていく
(画像:KOICHI PHOTO)

言い訳のできない勝負

ーーー緊迫感とライバル心は、どうやって育っていきますか?

伊藤
「1年間のリーグの中では、中学時代に同じチームだった選手がどんどんうまくなっているのを目にするかもしれません。
同じ高校1年生なのに、相手とのフィジカルの差を体感することもあるかもしれません。

ルーキーリーグには1部と2部があります。
全国大会への出場権があるのは1部だけです。
2部のチームは1部へ上がりたい。1部のチームは全国へ行きたい。
そこに真剣勝負が発生します。子どもたち自身が「結果を残したい」と思い始める。

運営も手抜きを許容しません。
公式戦ではない、プライベートリーグではありますが、先生たちの本気を体現すべく、すべて本気の運営を行っています。

コロナのせいで最近は出来ていませんが、各地で開会式も行っていました。
リーグ全チームがそろう開会式は、他校のユニフォームを着た選手たちを見るだけでも選手たちの意識が変わっていくんですよ。
もう高校サッカーなんだ、今までとは違う、と思い始めるんでしょうね。
それが本気の強化につながっていく。
各校の監督たちはそれを狙ってルーキーリーグに参戦しているんです。」


▲写真は2019年の関西グロイエンの開幕の様子。この開幕式で高校サッカー選手としての意識が育つ

ーーー全国大会にはルーキーリーグならではの楽しみがあるようですね。

伊藤
「そうなんです。
全国大会であるMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16はオリジナル大会です。公式戦ではありません。だからこそ演出も楽しんでもらいたいんです。
時代も変わっていきますので、同じことを2年やりたくないという思いがあります。

ーーーその選手たちが3年後にインターハイや高校サッカー選手権で、今度は学校代表としてしのぎを削り合うんですね。

伊藤
「そうです。
あのときルーキーリーグで対戦した学校、選手ともう一度今度は3年生になってからの公式戦で戦う。これも「未来がある」ことで起きる楽しみです。
これからもルーキーリーグでしかできないことを監督たちと作り上げていきたいと思っています。」

MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16のサイトはこちらから 

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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