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「中国を強い地域に」ルーキーリーグ LIGA NOVAにかける思い LAGA NOVA U-16 実行委員長広島国際学院高校サッカー部 瀬越徹監督インタビュー

中国ルーキーリーグ LIGA NOVA 2022が4月30日に開幕予定です。
公式戦さながらのこのリーグはどのようにして生まれたのでしょうか。
中国ルーキーリーグ(LAGA NOVA) U-16 実行委員長であり、広島国際学院高校サッカー部 監督の瀬越 徹先生にお話を伺いました。

zoom取材/文:CRANE
画像参照:中国ルーキーリーグ LIGA NOVA HP

お話を聞いた人

中国ルーキーリーグ(LAGA NOVA) U-16 実行委員長
広島国際学院高校サッカー部監督 瀬越 徹 先生

中国を「強い地域」にしたい

ーーー1年生のみで行われるルーキーリーグを中国エリアで立ち上げようと思ったのはなぜでしょうか?

中国ルーキーリーグ(LAGA NOVA U-16 実行委員長
広島国際学院高校サッカー部監督
瀬越 徹 先生(以下、瀬越監督)
「これを作ろうと思った背景には長きに渡る中国エリアの低迷があるのです。

 中国ルーキーリーグ NOVA NEXTは関東の次、2番目に出来た高校1年生のためのリーグです。今から10年前、2013年に10チームで始まりました。

当時の中国エリアは全国的に見ても強いとは決して言えず、高校サッカー選手権などの全国大会では「中国エリアのチームなら絶対に勝てる。ラッキーだ」と言われる程でした。

これは何とかしなくてはならない。

チームの強化は3年生になってからでは間に合いません。

必要なのは高校1年生の強化のためのリーグ。

1年生から真剣勝負の場を与え、経験を積ませることで秋からはトップチームに帯同できるレベルの選手も増えてくる可能性があります。

2、3年生の選手にとってもそれが刺激となり、チーム全体に緊張感が生まれ、底上げされる。
この状況を作り出すことで中国エリアのサッカーの質を向上させたいと考えました。」

ーーー立ち上げ当初のリーグはどんな様子でしたか?

瀬越監督
「今でこそ昇降格があり、緊張感のある熱い試合が保たれる中国ルーキーリーグですが、発足当初はなかなかうまくいきませんでした。

最初はフェスティバルのような形式を取っていたこともあり、練習試合の域を出ないという雰囲気もありました。得点差が二桁になる試合もあったりしたんです。

このままでは中国エリアのサッカーはいつまでも変わらない。

そこでこのリーグを公式戦と同じように順位がきっちり付く真剣勝負の場と位置づけて、ルーキーリーグへの参加を第一優先にしてもらうよう参加チーム間で意識統一を行いました。

他の試合を優先するチームにはこのリーグに参加することの意義をもう一度考え直して欲しい。

そのくらいの覚悟を持って、我々運営側もリーグにかける熱量を貫き、参加チームにも同じ温度を求めました。

中国エリアは横のつながりが深く、指導者同士の仲が良い地域です。
エリアの底上げを図りたいという思いはどのチームにもありました。

志を一つにし、切磋琢磨することで、10点以上の差が付く試合は次第に見られなくなっていきました。
彼らが3年生になる頃には公式大会で上位の戦績を残すリーグ参加チームも増えていきましたね。

実績が伴うことで、ルーキーリーグにはより多くのチームからの関心が集まるようになりました。

緊張感のある質の高い試合が保たれるリーグとして、中国ルーキーリーグは今も成長を続けています。」

同学年だからこそ、言い訳出来ない!

ーーー1年生だけのリーグを経験することで選手達にはどんな影響があるのでしょうか。

瀬越監督
「同学年だからこそ、負けた時の言い訳ができない。
チームとしての戦いがあると同時に、選手個人としても逃げ場が無い戦いがあると感じています。

通常、公式戦というのは最高学年が主役となるものが多いですよね。

そうなると学年の低い選手達には言い訳する時間が出来てしまう。
「まだ1年生だから」「同じポジションに先輩がいるから自分は敵わない」など、試合に出られない理由を探して勝手に納得してしまう選手が出てきてしまうかもしれないんです。

ライバル意識というのは同じ学年である方が、より刺激的なのではないでしょうか。

年齢、体格、スピードに大差の無い同い年同士ですからね。

中学生の頃は同じチームで戦っていた選手達がそれぞれの進路を取り、別々のチームで切磋琢磨できることも大きな刺激になっているようです。

「久しぶりにプレーを見たけれど上手くなっていた。自分も負けていられない」

違うチームに進んだ選手の活躍を目の当たりにして、そう感じる選手も少なくないようです。

より上手く、強い方がレギュラーを勝ち取って行く。同学年だからこそ、この事実がより刺さるように感じます。」

3年後には結果をひっくり返す!

ーーールーキーリーグを経験することで、チームはどのように変化しますか?

瀬越監督
「例年5月に始まるリーグですが、リーグが終わるころには全く違うチームになっていますね。

始まった頃はまだまとまりが無い状態だったチームが、経験を積むことでプレーの質の向上や勝ちに対する執念など様々な成長を見せるようになるんです。

リーグに参戦するチーム同士は今だけではなく、3年後のライバルでもあるんですよ。

ルーキーリーグで勝てた相手でも、3年生になってからも勝てるかと言うとそれは誰にも分りませんよね。

あの時勝てなかったという悔しさがバネとなり、3年生になった時には結果がひっくり返ることも当然あるわけです。

その逆もしかり。
ルーキーで勝てた相手に3年生で負けるわけにはいかないという緊張感も生まれます。

指導者にとってもプレッシャーは大きいと思いますが、それに打ち勝ってより強いチームを作り上げていく。
ルーキーリーグというのは1年生チームを指導する若い指導者にとっても成長の場となるのです。」

中3生が目指す場所に

ーーー成長を続けるルーキーリーグですが、将来的にはこのリーグをどのような場所にしたいですか?

瀬越監督
「中学3年生が進路を考える時、大きな指標となるような場所にしていきたいですね。

中学生にとってルーキーリーグに参戦していることが進路選択の基準になっていることも既にあるようですが、それをもっと揺るぎないものにしたい。

そのためにもこのリーグの魅力をどんどん発信していけたら良いと考えています。

中国ルーキーリーグの大きな魅力は公式戦にも負けない熱のこもった試合が見られることです。
我々指導者も息を飲むような展開を見せる本リーグはどの試合もとても面白いのです。
中学生の選手にとっても良い刺激になると思います。

中国ルーキーリーグの審判は各県から派遣してもらっているのですが、その中には高校生審判もいます。
審判としての経験を積みたいという高校生にとっても多くのことを学べる場となります。

中学生の選手の皆さんにはぜひ試合を見て欲しいです。

ルーキーリーグで行われる熱い試合を通して、将来の自分にはどんなチャンスがあり、どんな可能性があるのか。
そのことを知ってもらえるよう、ライブ配信なども積極的に行っていきたいですね。

ライブ配信を行えば、昨今のコロナ禍で無観客試合となってしまった場合でも選手達の活躍を保護者の方々にも見ていただくことができます。

中学3年生ご本人とその保護者の両方の方に見て頂くことで進路の参考にして頂けたらとても嬉しく思います。」

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中国ルーキーリーグ LIGA NOVAができるまで(LIGA NOVA公式HP)

公式HP 中国ルーキーリーグ LIGA NOVA(▼画像をクリック)

最後に

高校1年生から真剣勝負の場があること。
それこそが、高校サッカーの未来における大きな力になる。

思いを貫き、見ごたえある試合の場を守り続けている中国ルーキーリーグ「LIGA NOVA」
瀬越監督のお話からは中国地域全体のサッカーへの熱量が伝わってきました。

今では進路選択の指標の一つとなっているルーキーリーグ。
高校1年生から経験を積み、最高学年になった時にはどんな展開を迎えているのでしょうか。

楽しみに応援していきたいですね!

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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