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なでしこJAPAN 長谷川唯選手『出来ないからこそ出来た時が楽しい!すべてをプラスに変える!』全国の高校女子サッカー選手に送るエール

インハイ.tvと公益財団法人全国高等学校体育連盟が主催する、高校生アスリートへエールを送る「明日へのエールプロジェクト」。
このプロジェクトの「オンラインエール授業」は、全30競技の部活生とトップアスリートや全国の有志登壇者が「いまとこれから」についての思いや悩みを話し合い、一緒に答えを見つけていくための対話の場です。

2020年6月22日(月)、サッカー日本女子代表選手 長谷川 唯さんを講師に迎えた第7回目が開催されました。全国の高校女子サッカー部の選手からの質問に丁寧に答えて行く長谷川選手。マイナスをプラスに変えるその前向きな姿勢が高校女子サッカー選手たちへの大きなエールとなっていました。

(オンライン取材/CRANE)

↓長谷川さんのお話詳細は写真の下に続きます↓

講師はサッカー日本女子代表選手の長谷川 唯選手

画像引用:SPORTS BULL インハイTV 明日へのエールプロジェクトHP

長谷川 唯選手プロフィール

1997年1月29日生まれ、埼玉県出身。日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属。
兄の影響で小学校入学と同時にサッカーを始める。2009年より日テレ・メニーナに所属。全日本U-18女子サッカー選手権で優勝に貢献。2013年にはトップチームに昇格。年代別代表に飛び級で選ばれるなど、その才能は早くから認められ2017年になでしこジャパン初選出。2019年にはFIFA女子W杯に出場、EAFF E-1サッカー選手権で優勝するなど、新世代なでしこジャパンの中心選手として活躍。なでしこリーグでは5度の優勝を経験。2017年から3年連続で同リーグのベストイレブンに選出されている。
オンラインエール公式サイトより

司会進行はスポーツジャーナリストの生島淳(いくしま・じゅん)氏が担当されました。

オンライン授業には、全国から参加応募された高校女子サッカー部の部員のみなさん40名が参加。高校生選手と長谷川選手が質問をやり取りする形で進められました。

「限られた状況の中でも出来ることを懸命に」

画像引用:インハイTV公式Twitter

長谷川唯選手(以下、長谷川)
「皆さん部活が再開されたと思いますが、練習は思うような形で進めることは出来ていますか?」
今回の授業は長谷川選手から参加した選手達へ向けての質問から始まりました。

「時間の制限がある中で出来る練習が限られ、対人などの激しいプレーまではまだ出来ない状態です。試合も出来なくてもどかしいと思うこともありますが、焦らないように心掛けています。」
こう答える高校生選手の気持ちに寄り添うように長谷川選手は話します。

長谷川
「自分も皆さんと同じような状況です。チームでは、少人数のグループでの練習は再開できたけれど、全員での練習がまだなかなか出来ない状況なので、早くみんなと練習がしたいという気持ちがありました。でも、今は限られた状況だからこそ出来ることを懸命にやっていこうという気持ちで頑張っています。」

周りの選手に比べ小柄な体格でありながら、先の先まで状況を読んだポジショニングと最適な判断を具現化する技術力を武器に、チームの誰よりもグラウンドを駆け巡る長谷川選手。そのプレースタイルにも表れているように、長谷川選手の持ち味であるプラス思考に溢れた言葉が高校生選手たちの心をぐっと掴んでいました。

続いて、話は長谷川選手の高校時代へ。

高校時代の夢
「自分はサッカーで生きて行きたい」

中学時代から日テレ・東京ヴェルディベレーザの下部組織、メニーナに所属していた長谷川選手。
高校時代は学校から帰ってきた後で自宅から離れたクラブの練習場へ通い、帰宅も夜遅くなるという生活を送っていたそうです。
自宅から遠い練習場へ通うこと、厳しいトレーニングを積むことを「大変だ」と感じることよりもずっと、メニーナで練習出来ることがとても楽しかったといいます。

高校時代の夢はプロサッカー選手になること。日本代表選手になること。
「自分はサッカーで生きて行きたい」という明確な夢が、厳しいトレーニングをも楽しむ原動力になったといいます。
日本代表選手やなでしこリーグで活躍するベレーザの選手など、目標となる先輩達が常に身近にいたことも、長谷川選手にとっての成長の鍵となったようです。

周りはレベルの高い選手ばかり
「もっと努力してもっと上手くならなければ」

司会の生島さんは、長谷川選手のプレースタイルについて問いかけます。
「試合中、長谷川選手にしか見えないスペースがありますね。一人だけ違うところも見ているように思います。」

「今のプレースタイルが確立されるまで、ものすごく努力をされてきたのでは?」という生島さんに対し、「高校時代にはもう今のプレースタイルが出来上がっていた」と答える長谷川選手。

長谷川
「中学でメニーナに入った時、周りは自分より技術もスピードもある、体も大きな選手ばかりでした。そういう選手達を相手にただがむしゃらにやるだけではもう通用しないと思いました。もっと努力してもっと上手くならなければ。この厳しい環境に置かれたからこそ、考えてサッカーをしようと思うようになりました。」

高校生からの質問コーナー

画像はスクリーンショットです

現役高校女子サッカー部の参加者からzoomを通して沢山の質問が投げかけられました。その一部をご紹介します。

ーーー怪我した時や、コロナ禍でサッカーが出来ない時はどのようにモチベーションを保ちましたか?

長谷川
「2019年度のワールドカップ フランス大会の期間中、怪我のために日本代表チームから離脱することになってしまいました。サッカーが出来ない期間はとても苦しくて、早くサッカーをしたいという気持ちもあったのですが、ケガから復帰した時のプレーイメージと目標を持つことでモチベーションを保ちました。先のことをイメージしながら、負荷をかけた筋力トレーニングなど、普段なら出来ないことにも取り組みました。
コロナ禍でサッカーが出来ない期間も、練習が再開した時までに自分自身がどれだけ成長出来るかを楽しみに自宅でのトレーニングに励みました。」

ーーー夢や目標を叶えるために継続していることはありますか? 努力はどうやって継続したのですか?(二人からの質問)

長谷川
「練習することはもちろんなのですが、まずはどんな時も楽しむということが大切だと思っています。 オリンピックが中止になってしまった時はショックを受けましたが、それでもチームでの練習は楽しかった。チームの課題をみんなで修正していくことがとても楽しかったんです。夢や目標を叶えるためには努力は必要なのですが、その努力をするためにも、楽しむということはとても大切なことだと思います。

苦手なことを克服することも楽しんでやっていました。出来ないからこそ出来た時が楽しい。失敗したこともポジティブなこととして捉えていました。」


ーーー自分より体が大きな選手、レベルが高い選手と戦う時、どうしていますか?(二人からの質問)

長谷川
「自分は中学生の時、今よりももっと身体が小さかったです。周りは全員、自分より大きな選手だったので、相手にどれだけ捕まらずにプレーできるか、前を向いてボールを運ぶにはどのポジションが良いかなど、ポジショニングを意識した「考えるサッカー」をするようになりました。

今では「体が大きくなくて良かった」と思うこともあるほどです。小柄だったからこそ、相手の懐に入ってチャレンジがすることができた。この体型だからこそ、今のプレースタイルに辿り着くことができたのだな、と思います。

運動量についても常に意識しています。自分よりレベルが高いプレーヤーに1対1で挑むのは難しいことなので、ポジショニングと運動量でカバーします。試合の後半、相手がバテてきた時に、長い距離を走ったり、スプリントで圧倒出来たり。試合の最後の最後まで走り切れるということもとても大切なことだと思っています。」

ーーー憧れている選手、プレースタイルはありますか?

長谷川
「今は周りをよく見て何でも出来るイニエスタ選手に憧れていますが、小学生の頃はロナウジーニョ選手が好きでした。選手によって、得意とすることはそれぞれですが、自分は良い選手の良い所を全て集めたような選手になることが目標です。まだまだ自分に出来ないことを出来るようになりたい。全てのプレーにおいてトップであるような選手になりたいと思っています。」

ーーー試合の前日から、プレーが上手く行くか不安になって緊張してしまうことがあるのですが、緊張しないメンタルの作り方を教えてください。

長谷川
「普段からたくさん練習していることは試合でも出せると思うので、実力を発揮する為にも練習をたくさんしておくことは大切です。自分はあまり緊張するタイプではないのですが、緊張することを必要以上に恐れることはないと思います。緊張することは決してダメなことではないので。
不安からくる緊張は、自分の良いプレーや自信が持てるプレー(の動画)を沢山見て、イメージを膨らませておくことも良い方法だと思います。」

ーーー先輩の引退が決まり、2年生の自分達がチームを引っ張っていく立場になりました。長谷川選手なら、どんな風にチームを引っ張っていきますか?

長谷川
「自分が初めてチームを引っ張る立場になったのは、高校1年生の時でした。メニーナでは、中高生が一緒に活動をするのですが、高2、高3の選手がベレーザに昇格したことで、自分が一番年上になりました。
声を出してチームを引っ張っていく選手もいると思いますが、自分は練習の取り組み方や、試合への真剣な姿勢、プレーすることでチームを引っ張って行くことを意識しました。しっかりサッカーに向き合って誰よりも真剣に取り組んでいたら、周りは自然とついてきてくれるのだと思います。」

まだまだ他にも多くの質問が寄せられました。
長谷川 唯選手の「エールオンライン授業」はこちらから視聴できますので、ぜひご覧ください。
▶▶「エールオンライン授業アーカイブ動画」

エールオンライン授業を終えて
長谷川選手は何を感じたのか?

画像引用:インハイTV HP

長谷川
「今まで、なかなか高校生とこういう話をする機会はありませんでしたので、自分にとってはとても楽しい時間になりました。自分の高校時代のことを話して、高校生の選手達から「なるほど」と思ってもらったり、「ためになった」と言ってもらえたことはとても嬉しかったです。大会がなくなったことでこういう機会が出来たのですが、普段からこういう機会が持てたら、それはとても良いことだと思います。」

ーーー来年度から女子サッカープロリーグ「WEリーグ」が本格始動します。今後、このリーグでのプレーを目指す高校生アスリートへのアドバイスをお願いします。

長谷川
「私自身はメニーナに入ったのは中学生、そのころからサッカーを考えてやっていて、今でもそれがとても役立っています。考えながらサッカーすることは、国内リーグだけではなく、日本代表での海外の選手との試合でも、非常に大事だと思うことの一つです。高校生選手の中には、考えてサッカーをしている選手ももちろん多いとは思いますが、ただがむしゃらにやっているという選手もまだまだ多いのではないかと思うので、サッカーの映像を沢山見たりしながら、考えてプレーするということをやっていくことを意識して欲しいと思います。」

最後に、授業を通して高校生に感じて欲しいこと、高校生アスリートへ向けてのメッセージも送って下さいました。

長谷川
「自分はポジティブな性格ですが、全員が全員、そういうタイプではなく、中には考え込んでしまう人もいると思うので、授業を通してネガティブな考え方から少しでもポジティブに考えられるようになって楽しむ心を持ってもらえたらそれが一番だと思います。

高校生ならではの熱い戦い、がむしゃらにがんばるプレーは人の心を動かすと思います。そういうプレーを意識しながらも、自分自身も楽しんでプレーすることも大切にして欲しいと思います。」

最後に

長谷川選手のポジティブなサッカーへの向き合い方そのものが、これからの可能性を信じて進んでいく高校生アスリートへの大きなエールなのだと感じた1時間。
どの質問にも熱心に耳を傾ける長谷川選手から丁寧に伝えられた言葉には前向きな姿勢が溢れ、「不安」に染まっていた高校生の心が「勇気」や「希望」に変わって行くのが見えるようでした。

「部活が出来なくなってからは、プレーすることよりも考える時間の方が多く、不安になってしまうことも多かったけれど、長谷川選手のお話を聞いて前向きな気持ちになれました。今出来ることを精一杯頑張って行こうと思います。」
授業に参加した現役高校生からは、前向きで力強い感想も聞こえました。

誰もが想像もできなかったこの未曾有の事態。
保護者の皆さんや指導者の方々の中には活躍の場を失った高校生たちにどんな風に接したら良いか悩んだ方も多かったと思います。
自身は「あまり落ち込んだことが無い」と言う長谷川選手。それでも、悔しい思いをしたり、落ち込んだ時、何も言わず見守ってくれた家族や参考になる海外のプレー動画を資料として集めてくれた監督の気遣いがとても嬉しかったと教えてくれました。

2023年のFIFA女子W杯の招致活動を日本が撤退したことについて
「オリンピックとは違った女子サッカーだけの世界大会が日本で行われることへの影響はとても大きいと思うので、日本でやりたかったという気持ちはあります。」
と、複雑な胸中を明かす長谷川選手でしたが、1年後に延期されたオリンピックについて聞かれると
「日本で開催されるということは、今まで支えてくれた家族や指導者に成長した姿を直接見てもらえるということだと思います。恩返し出来るよう、全力を出し切りたいと思います。そして夢だった舞台に立てることを楽しみたいと思います。」
と、希望に満ちた意気込みを語って下さいました。

「オンラインエール授業」は、まだまだ参加の申し込みができる回もあります。
興味のある方はぜひ申し込みをしてみてください。
今しか聞けないお話をたくさん聞けるはずです。

申し込みはこちら

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2020年8月にライター歴3年目に突入、サッカー娘の母歴は丸10年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

このところ、8チームから12チームくらいの規模の大会も戻ってきているのではないでしょうか。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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