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【インタビュー】サッカー推薦、受験の前に知っておきたいこと【高校行ってもサッカーしたい!】第6弾

推薦で入学してから

推薦で入学して「ここが違った」と思ったところはありましたか?

「サッカー部はとてもよかったです。よい指導者の方にも恵まれて、楽しい3年間を過ごさせてもらいました。でも、文武両道は嘘でした(笑)。

模試が受けられない、英検やG-TECなどの外部で受験するものはほぼ受けられない。日程が練習や試合とかぶったらすべてNGです。学校ではさまざまな補習や夏期講習、冬期講習などを設定してくれるのですが、それは一度も受講できたことはありません。

サッカー部の進学実績は嘘ではありませんでした。ですが、それはサッカー部に一般受検で入ってきたもともと学力の高かった子が作り出した実績で、サッカー推薦で入ってきた子の成績ではありませんでした。」

どの子がサッカー推薦で入ったというのはわかるのですか?

「わかります。子どもたち同士の情報交換で誰がサッカー推薦で入ってきたというのは早い段階でわかりますね。お金の問題が絡むものではなかったので、割合そのあたりはオープンでした。」

ほかにうまくいかなかったことはありましたか?

「監督のサッカー観とまったく合いませんでした。指導者の方はたくさんいたので、その中には非常にサッカー観が合って、伸ばしてもらえているという実感があった指導者もいました。今でも感謝しています。

どんなにほかの指導者と相性が良かったとしても最終決定権は監督なので…サッカーが楽しく思い切りできたか?と聞かれたらちょっと…という感じですね。ただ、入学前にはわかりませんでした。これが入学前にわかっていたらよかったなあと思っています」

ポイント

  • 模試、外部試験などは受けられないこともある
  • 学校の講習なども受講できないこともある
  • 進学実績はうのみにせず、どんな子の進学実績なのか聞いたほうが良いかもしれない。
  • サッカーの最終決定権は監督。監督と合わなければ自分の目指すサッカーはできない。

進学…大学からのオファーは?

文武両道が無理そうでも、サッカーで大学進学するというケースもあるのではありませんか?

「個人に対してオファーが来るのは、全国大会へ出場するような子の中でもほんの一握り、スタメンの半分くらいだそうです。そうでない学校の場合は、個人に対してくるオファーではなく、サッカー部に対して『練習会に来てみませんか』というオファーが来るだけです。

その練習会で光るものがあれば進学できるのだろうと思いますが、実質なかなか難しいようです。地域の中でも全国で名をはせているような大学からはうちの高校にはオファーが来ませんでした。」

指定校推薦は?

「指定校推薦には学内選考が必要です。学内選考で評定平均が同じなら、スポーツ実績のあるサッカー部のほうが有利だとは思いますが、まず評定平均を同じにするのが大変です。

不可能ではないですが、簡単な道でもないと思います。」

クラスは一般生徒と分けられるのですか?

「入った時は同じでしたが、徐々に振り分けられていきますね。高3になった今、気が付けばサッカー部だけの教室のようになっています。私立だからというのもあると思いますが、生徒がサッカー担当、勉強担当、と分かれているようなイメージです。勉強できる雰囲気も少ないので、バスの中で移動時間に勉強するというような生徒もいません。」

ポイント

  • スポーツ推薦で入ってきた子だけ別クラスになるということが3年次で起こることもある
  • 個人に対して大学からのオファーが来るのはほんの一握り
  • 大学へサッカーで進学するのは難しい

推薦で入った場合、途中で辞められるのか?

スポーツ推薦で入学した場合、サッカーを途中でやめたらどうなるのですか?例えば、選手権まで残るのが当然という雰囲気の中、インターハイ終了後に引退したい、と意思表明したような場合は?

「もしも特待制度があり、お金の面で優遇されていたらそんなことは言いだしてはいけないことだと思います。入学時の約束を果たせないということなので。また、入学時に『選手権まで引退しない』ということを約束させられる高校もあると聞いているので、その場合も途中でやめたら契約違反になると思います。

うちの場合は、合格保証はいただきましたが選手権まで出るという約束もしていないし費用面での優遇もないので、そんなに厳しくないのではないかと。ただ、インターハイが終わって『引退する』という選手にはやっぱり周囲の目線は冷たいものもありました。

サッカー推薦で入っておきながら、選手権を前に辞めるの?という感じですね。選手同士だけではなく、保護者の目もそうですね。スポーツ推薦は途中引退はあり得ないでしょ!という空気があります。引退する子自体めったにいないんですが、監督にしばらく無視されたお子さんもいます。」

引退も難しいのですね。

「スポーツ推薦で入った以上、『やーめた』ということがやりづらいのは事実です。監督と合わなかったのもあって、一般入試で入っておけばどのくらい気楽だったか!ということはよく考えました。学力で入れる学校だったら、あえてスポーツ推薦で入る理由はないかもしれません。

入部してからは、サッカー推薦で入ってきた子と一般受検で入ってきた子は対等に扱われます。もちろん最初にチームを組む時はサッカー推薦の子が最初から上のカテゴリーにいるということは行われますが、一般受検で入ってきた子も頑張っている子は活躍しています。

中にはサッカー推薦で入ってきた子しか入れないサッカー部もありますので、そうなのかどうなのかということはサッカー推薦を受ける前に確かめておくとよいと思います。」

ポイント

  • 自由意志による引退が難しいケースもある
  • 特待制度は「契約」、約束は守らなくてはいけない
  • どんな子にもチャンスが与えられるサッカー部なら、あえて学力入試で入るほうが自由度が高い

こんな推薦もあったよ、自分のときはこうだったよ、我が家の決め手はここでした…という経験をシェアしてくださる方はご連絡をお待ちしています。コメントもお寄せください。




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    最後に

    特待制度というのは、学校に本来収めるべきお金を払っていないことで「学校から報酬をもらっている状態」という解釈があります。報酬をもらっている以上、プロと変わりません。そのため、成果を出すことも契約を守ることも当然のこととして扱われます。

    今回の鈴木さんの場合は特待ではなかったということである程度の自由はあった例でしたが、それでも「サッカー推薦でなく、学力で入っていたら…」という言葉から自由度の少なさ、制約も多かったのであろうことが推察されます。

    100人いれば、100パターンあると思われる推薦制度。あなたの経験も、ぜひシェアしてください。上のお問い合わせフォームより、お待ちしております。

     

     

    寄稿者プロフィール

    JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
    Maki Mizushita
    群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

    元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
    見守り、応援する立場からは卒業しましたが
    今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

    お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
    みなさんも楽しんでくださいますように。

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