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【インタビュー】サッカー推薦、受験の前に知っておきたいこと【高校行ってもサッカーしたい!】第6弾

第5弾の進路特集では、「サッカー推薦ってどうやって決まるの?」というインタビューを、中高一貫校でサッカーをすることに決めた保護者の方にさせていただきました。第6弾の今回号では、強豪校へサッカー推薦で入った選手の保護者の方から情報をいただきました。

推薦入試は良いことばかりではない。こういうこともあります、ということを知っておくことも重要かと思います。

学校が特定できるような情報は、ご本人の意向により割愛させていただいています。
記事下ではインタビューに応じてくださる方の募集もしています。「こんな考え方もあるよ」「こんな形の推薦でした」ということを教えてくださる方はご連絡お待ちしています。※もちろん東京都以外の方でも構いません。

推薦が決まるまで

中学ではクラブチームでサッカーをしていた鈴木くん(仮名)のもとに連絡がきたのは中学校の担任の先生を通してのことだったといいます。推薦の来るような中学時代はさぞかし華々しいものだったのでは?

「そんなことはないです。ただ、所属しているクラブチームは県内では有名でした。そのクラブチームでまだ所属が決まっていない選手、ということで名前が挙がったのではないかと思います。ほかの子たちはそれまでにどんどん内々定のようなことになっていましたが、10月の時点で息子はまだ進路は決まっていなかったので。

公立高校を受験するつもりだったので、学力受験をする準備をしていました。ただ、その学校もちらっと考えはしたので、試しに受けてみようと思ったんです。」

どのように声がかかったのですか?

「体験会に来てみませんか、という声のかかり方でした。息子のポジションの枠がまだ1人決まっていなかったらしく、体験会へ参加した後に『うちでサッカーをしないか』と中学校の担任の先生を通してご連絡がありました。

高校と保護者の間だけで「よろしく」という話がされているうちは、本決まりではないそうです。中学に正式に話が来なければ、いくら高校と保護者がそういう話を進めていたとしても逆に白紙になることもあるんです。高校の顧問の先生や進路担当の先生が中学校にあいさつに来られて、そこで担任の先生と本人も交えての面談をしました。」

ポイント

  • 高校のサッカー推薦は中学校を経由して伝えられる
  • 保護者と高校の口約束では本決まりではない

サッカー推薦を受けた決め手は?

第一志望ではなかった高校からのオファー、推薦を受けた決め手は何だったんですか?

「その学校も十分魅力的な学校でした。大学に進学したい、という意思は中3当時ですでにあったので、勉強とサッカーを両立させたかったんです。文武両道、学力のレベルもそこそこ。国立の上位校が狙えるレベルで、サッカーも強豪として知られていた学校でした。

プロにはなれるレベルではない、と思っていましたので、勉強もしっかりやっておきたいと本人も言っていました。」

県内のサッカートップ校へ行こうという選択肢はなかったのですか?

「試合に出たいという気持ちが強かったので、試合に出られそうかどうかは慎重に考えました。サッカートップ校には県内の、というよりももう全国の、と言ってもいいくらい上手な選手が入ってきます。トップ校に入学した場合、果たして試合に出ることができるだろうか、という心配はありました。声をかけていただいた高校は、ちょっと頑張ればレギュラーに手が届きそうで、全国への夢も見ることができる、そんな高校だったんです。

また、県内のサッカートップ校へ行ってしまうと、国公立大学の受験ができません。魅力的ではありましたが、学費的なことを考えるとちょっと…」

国公立大学の受験ができないとは?

「科目数が足りないのだそうです。サッカートップ校のスポーツクラスではセンター試験を受験するだけの科目数が履修できないので、国公立大学の受験は厳しくなるという話を聞きました。もちろん自分で頑張ればよいのだと思いますが、スポーツクラスへ行くと午後はほぼすべて練習となります。一般クラスよりも少ない履修時間で同じ大学を受けるのは息子の場合無理だと判断しました。本人もそう思ったようです。

学費的な面で国公立大学も視野にいれたかったので、最初から可能性を狭めるよりも…と、文武両道な学校を選んだのです。もちろん勉強のことも質問しました。勉強もちゃんとさせます、大丈夫ですと言っていただいて、サッカー部の進学実績も見せていただきました。有名校が並んでいたので、本当に文武両道なのだと思いました。

もともと滑り止めで考えていた私立高校だったというのもあって、『第一志望は落ちたと思おう』と息子と決断してサッカー推薦のお話を受けることにしました。

ただしこのサッカー推薦は学費面での特待などは一切ありませんでした。学力的な試験を受けても受かると中学の先生におっしゃっていただいていたので、サッカー推薦で受けるメリットは何ですか?と質問したら、『当日インフルエンザになったとしても、受けていただければ合格できます』と言われました。なので、この場合の推薦は『合格を保証する』という程度のものだったのかな、と思います。」

ポイント

  • 強豪校ほど、サッカー部は進路が限定されることがある(文系のみ、私立文系のみ、など)
  • 高校の先を見据えた進路選択が必要
  • 推薦がイコール特待ではなく、『合格保証』にとどまる場合もある

次のページは
「推薦で入学してから」、気になる「途中で辞められるのか?」

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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