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わが子を伸ばしたい!少年サッカー選手を伸ばす保護者とは?

怒り方には2通り!罵倒する親、叱る親

試合中、あるいは試合後に大きな声を出している保護者の方を見かけたことがあると思います。大きな声を出すことは、悪いことではありませんが、内容によって、子どもをスポイルしてしまうことがあります。

■1,2,4にチェックが付いた人→罵倒タイプ

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罵倒の対象はさまざまです。わが子だったり、ほかの選手だったり、コーチや監督、審判だったりします。審判への罵倒の場合は、親に指導が入る場合もあります。対戦チームの選手を罵倒し、その選手が委縮してしまってプレーができなくなってしまうということもあるようです。

でも、ちょっと待ってください。子供にとって、親は「絶対」です。その絶対存在の親が罵倒するようなチームでサッカーをする気になりますか?自分の親に罵倒されるようなチームメイトとサッカーをする気になるでしょうか?監督やコーチの言うことを聞いて練習しようと思うでしょうか?「次に罵倒されるのは自分かも」と思ったら、体の動きも固くなります。

しかも、幼少期からそういったことが行われると、子どもは心に傷をつけないために、「聞かない」という自衛手段を取るようになります。

親の罵倒は、子どもの「素直さ」に傷をつけてしまいます。Jリーガーの、昔の監督やコーチのインタビューなどを読んでみると、ほとんどの選手が「素直だった」とコメントされていることに気が付きます。「素直さ」は、実はその道でプロになってやっていこうとするときの一番重要な項目なのです。素直な子供は、吸収率が違います。

素質や体格も大切ですが、それ以上に、新しい所に行ったときに素直な柔軟性がなければ、知識のシャワーを吸い込めずに、そこでやる気を失うこともあります。なにより、罵声を浴びてしまうと、「サッカーって楽しい」という気持ちが育ちにくいのです。これは大変危険です。

■3、5にチェックが付いた人→叱る親

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「叱る」を辞書で引くと、「強く注意する」とあります。激昂してはいけません。強い口調で注意することが、叱ることです。

叱ってよい項目は

・ふざけている(まじめに取り組まない)
・負けたことに無関心
・チームメイトやコーチを馬鹿にする言動

です。「負けたことに無関心」は、多くのJリーガーが、本などで「これだけは怒られた」と述懐している記述が多くあります。負けることに無関心な子供は、勝利にも執着しません。勝とうという目標がなかったら、サッカーはただのボール遊びです。勝つために工夫し、頭を使い、試してみて…という試行錯誤を、自分で多くやった子ほど、あとの年代で花開きます。

一つだけ注意しなければいけないのは、

・子どもが選択したプレーを叱らない

ことです。「なんで前に蹴ったんだ!」「なんでクリアしなかったんだ!」という叱責は、ひとまず横に置きましょう。
「どうして前に蹴ったの?」「どうしてクリアしなかったの?」と問いかけることによって、子どもは自分の頭で考え始めます。

「なんで前に蹴ったんだ!」と言われた子は、次から後ろを向くかもしれません。「なんでクリアしなかったんだ!」と言われた子は、次から、判断できないボールは全部クリアするでしょう。その結果、絶好機を逃してしまったとしても、です。

「!」を「?」に変えて、子供の意見を聞いてみましょう。びっくりするようなことを考えている場合があります。「なんとなく…」と答える子は、まだ頭を使ったサッカーができていません。頭を使わずにサッカーをしている子が輝けるのは、小さいうちだけです。今からきちんと、自分の頭で考える訓練をさせましょう。

Jリーガーの親はこう叱る

■中村憲剛選手の場合

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元日本代表の川崎フロンターレ、中村憲剛選手は本の中で、自分が叱られた時はこんな時だったと言っています。

・試合に負けたのに、平気でいたとき
・チームメイトを悪くいったとき

悔しがらない選手に成長はない。
試合に負けたら悔しがれ。
試合に負けたのは、自分のせい。
チームメイトのせいにしない。
こうしたことを繰り返し繰り返し、お父さんに叱られたそうです。

そして、中村選手は、
「原因は自分にあるのだから、練習で修正できる」と考えるようになったといいます。

絶対的なわが子への信頼と、親の姿勢が一流のプロを育てる良いエピソードと言えるのではないでしょうか。

■長谷部誠選手の場合

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長谷部選手がお父さんから怒られたことを強烈に覚えているエピソードがあります。

長谷部選手は、一時期、サッカーに真面目に取り組まず、練習に行くと言ってゲームセンターに行ってしまった時期があるそうです。

それがばれ、当然親に怒られるわけですが、長谷部選手の心に響いたのは、

・自分を怒っている時の親が悲しそうだった

ことだといいます。
親や先生を悲しませることをしてしまったこと。それに気が付いた長谷部選手は、猛烈に反省します。

そして、自分を律し、日本代表のキャプテンにまで上り詰めました。頭ごなしにしかられていたら、今の長谷部選手のような自分の律し方ができる選手に育っていたでしょうか。

保護者タイプが知りたい方は→①へ
怒り方には2通りあります・Jリーガーの親のしかり方→②へ
褒め方、どこを褒めればいいの?→③へ

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

コメント欄

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  1. 小学生のサッカーチームでは、ボランティアでのコーチが大半を占めています。休日に無償で子供たちの指導にあたって下さる事に、本当に感謝しています。
    ただ、ボランティアであるという事で、誰でもコーチになれてしまうという危うさもあります。特に試合での危険行為などは、キッチリとファウルを取って頂きたいと思います。
    ファウルを取られなければ、子供はこれぐらいはOKなんだと勘違いをしてしまいます。
    大きな怪我や事故が起こらないように、ボランティアであっても責任を持って接して頂きたいと思います。

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