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【ゲキサカ】逆境乗り越え、勝負強さや新戦力台頭で勝ち取った初優勝。インハイで基準を知った新王者・静岡学園はどんな相手でも「静学スタイル」を表現できる個とチームへ

[8.1 インハイ決勝 近大附高 1-2 静岡学園高 Jヴィレッジスタジアム]

「内容は、ほんとに満足していないです。だけど1つ言えることは、自分たちは今日、主軸が4人いなかったとか満身創痍の中で勝ち切ったっていうのは、そこはもうほんとに素直に評価してあげたいし、選手たちの成長を凄く感じました」(川口修監督)

逆境を乗り越えて同校史上初、1996年の清水市立商高以来、静岡県勢30年ぶりとなる夏の日本一。静岡学園高(静岡)はJクラブ注目の10番MF松永悠輝(3年)、静岡県予選などで活躍した2年生ボランチMF杉ノ原芽生を怪我で欠いてインターハイをスタート。さらに大分高(大分/○8-0)との初戦でチームの“心臓”MF足立羽琉主将(3年)が大怪我を負い、さらに苦しい状況になった。

ダブルボランチとトップ下不在のチームは、「リズム、テクニック、インテリジェンス」を重視した伝統の「静学スタイル」をなかなか表現できなかった。3回戦で選手権準優勝校の鹿島学園高(茨城)に2-2からのPK戦の末に勝利。準々決勝では0-2から追いついて交代出場MF佐野泰聖(3年)の劇的な決勝点によって逆転勝ちを収めた。勝負強さを発揮して勝ち上がったが、準決勝では大津高(熊本)に“プレミアリーグ基準”を見せつけられる形で大苦戦。相手の攻から守、守から攻の切り替えの速さ、ポジショニングとボールタッチの精度、強度に差をつけられた。

GK田邊匠真(3年)らディフェンス陣の奮闘とゲーム主将でエースのFW坂本健悟(3年)の一発で勝利したものの、選手たちにとっては悔しい内容。近大附高(大阪1)との決勝でも、“準決勝の陰のヒーロー”DF小田切颯佑(3年)が負傷欠場する中、相手のマンツーマンディフェンスをなかなか攻略することができなかった。

いずれも技術力の高い松永、足立、杉ノ原不在の影響もあり、中央から打開する回数は減少。前を向けそうなシーンで前を向けずにバックパスを選択するシーンが多く、川口監督は「ボール受けるのをちょっと怖がってる選手もいたし、外から見ていて怖がってる時点で、やっぱりボールは回らない」を指摘する。

攻撃はMF安永龍生(3年)やMF長坂健太(3年)のドリブル突破、サイド攻撃が主体に。決勝は前半にコンビネーションによる崩しからMF泉新(3年)が先制点を挙げたものの、その後は守りを修正し、ロングスローから追いついた近大附の方が自分たちのやりたいことを表現していた印象だ。

決勝では、3回戦でスーパーゴールを決めているMF半田怜也(3年)や田邊が接触プレーで負傷してまさに満身創痍の状況。それでも、静岡学園はDF飯尾善(3年)、DF林奏汰(3年)、DF保延昭良(3年)を中心にゴール前で堅い守りを見せて2点目を許さない。そして、試合終盤に掛けて静岡学園は仕掛けの回数を増やすと、後半35+5分にCKの流れから交代出場FW沢井翼(3年)が劇的な決勝点を決めて頂点に立った。

新王者・静岡学園高は夏の経験を糧にどんな相手でも「静学スタイル」を表現できるチームになる

川口監督はインターハイで目標としていたプレミアリーグ勢と戦うこと、5試合を経験できたことを喜ぶ。何より大津戦で「凄い差があるなと思った。ただ、やれて良かったです。あれで、やっぱり気づきがあったので。物凄くいい経験をした」。これから、大津のプレッシングや近大附のマンツーマンの中でもボールを保持し続け、「静学スタイル」を表現して観衆を沸かせられるチーム、個人にならなければならない。

全国トップレベルを体感できたことが最大の収穫。また、川口監督は「勝負強さとか選手層の厚さっていう意味では、今大会で非常に厚くなった。個人で言えば、高丘なんて凄い成長したのかな。彼はオプションとして、結構レギュラー候補に上がってくるのかなって思います」と語るなど、主軸欠場の中でMF高丘泰昂(3年)やMF溝口昊(3年)、FW村松亮(3年)ら新戦力候補の台頭があったことを認める。

静岡学園OBの川口監督は、「人より10倍、100倍多く、『100万回ボールを触れ』」という指導で「静学スタイル」の礎を築いた名将・井田勝通前監督の下でコーチとしての経験を積み、2009年に監督就任。2019年度の選手権で同校史上初の単独優勝(1995年度に両校V)、そして今回、インターハイ初優勝を果たした。

「自分の代で勝ったんですけど、やっぱり静学は『井田勝通のチーム』なんですよ。そのDNAを私が引き継いで進化させるとか、アップデートさせながらここまで来たっていうか。だから、根本的なものは考えて方を含めて変わっていないです。ただ、サッカーって進化してるんで、静学もサッカーの時代の流れに沿っていって、ベースは変わらないけども、常にアップデートして行っているっていうチームです」(川口監督)

世界で戦える選手、ワールドカップの決勝で活躍できるような選手の育成が目指すところ。静岡学園中との中高一貫指導で育てられた名手たちに加え、全国各地から挑戦心を持ったテクニシャンたちが集うのは変わらない。だが、以前に比べるとアスリート能力の高い選手が増え、彼らが上のステージでもテクニックを発揮できるように指導しているところも印象的だ。

今年は大柄な選手が多く、その高さも魅力。今回の静岡県予選では名門・藤枝東高を6-1で下すなど、本来はどこからでも仕掛けて得点できる強さやまとまりの良さが魅力の世代だ。彼らがインターハイで出た課題を改善し、さらに伸ばすことを目指して夏を過ごす。

秋には復帰予定の松永は「内容では(川口)修さんとか選手たちも全員含めて満足してない部分もあると思うんで、そういうところの完成度とか上げて頑張りたいです」と語り、小田切も「冬は絶対、『静学スタイル』を表現して、どこの相手が来てもみんなが見て面白いようなサッカーで、それこそ真の日本一じゃないですけど、そこ(内容、結果の両方で相手を上回るようなチームを)目指してやっていきたい」と力を込めた。インターハイ新王者のチームとしての目標はプレミアリーグ昇格と2019年度以来3度目の選手権制覇。それを実現させるためにも、どの相手にも「静学スタイル」を表現できるようなチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

引用元記事(ゲキサカ)

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSニュース編集長・北海道東北エリア責任者mina
滋賀県在住。ジュニアサッカーNEWS設立当初よりライターを始める。

全国各地のたくさんのライターさんとやり取りしながら毎日楽しくお仕事させていただいています。

ライターのお仕事は私の仕事であり趣味のようなものなのですが、ここ最近はK-POPにドはまり中。推しのグループの映像を見たり、韓国語を聞き流して勉強しながら作業をしています☺

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