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中学からは部活?クラブ?そのもやもやを吹き飛ばす説明会に行ってきました

「後悔のない進路選択のために」ARTE八王子FCの「中学年代を考える」説明会

東京都12ブロックで2016年、U-12の一期生が目覚ましい躍進ぶりを見せ、話題になったARTE八王子FCジュニア。

クラブチームが行う説明会というのは、どちらかというと自チームのクラブ中心の説明会になりがちです。ARTE八王子FCはその中ではひときわ珍しく、部活とクラブチーム両方の選び方を示唆してくれる保護者向けの説明会があります。

お子さんのサッカーへの向き合い方をもう一度見つめなおす説明会を取材しました。

※こちらもおすすめ。保護者の本音を集めました。
部活とクラブチームの本音白書・ほんとのところ、どうなの?

サッカーとどう向き合うか?進路選択の今だからこそ考えたいこと

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説明してくださったのは、ARTE八王子FCジュニア・ARTE八王子FC(U-15)の代表である池内 成明さんです。

今日まず家で話し合ってもらいたいことは、「サッカーを続けたいか」ということ

現代の小学生は、サッカーが習い事化してしまっているところがあります。自分の意思でなく、なんとなくサッカーを続けているお子さんもいらっしゃるでしょう。

池内「まず、サッカーを続けたいのかどうか、ということ。続け方にもいろいろあります。とにかく楽しくプレーしさえすればいい、という続け方から、プロになりたい、そのためにはどんな苦労もできるというお子さんまでそれぞれです。

今までずっとサッカーをやってきたけれど、卓球にも興味が出てきてしまった。そういうことはあってよいのです。その気持ちを無視してサッカーを押し付けてはいけません。

保護者の方がどう考えているかではなく、お子さんがどう考えているかをまず聞いてください。その問いかけからすべては始まります」

クラブチームに入ること、部活に入ることがゴールではない

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年々早くなっているセレクションの時期。今年度は、いつもセレクションが行われる秋期に全日本少年サッカー大会の地区予選や都道府県予選が組まれたために、例年よりずいぶん早い進路選択を迫られているジュニア選手が多いのが事実です。

池内「どうしても、クラブチームに入ったほうが強くなるとか部活はダメだとか、そう言いたがる人はいます。

が、チームに入ることが目標になっていては、その後の成長はなかなかしにくいのも現実です。今のチームでレギュラーになっていても、上のカテゴリーに行けば必ず【控え】になるときがやってきます。

そこで頑張れる選手と頑張れない選手がいることも事実です。どちらを選ぶか、の前に、入った後に続く努力ができるかどうかをじっくり考えてほしいと思います」

クラブチームと部活の違いとは

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説明会の中では、クラブチームと部活はここが違うということも紹介されました。

トレセンや選抜制度

池内「トレセン、選抜というものに強い興味を持っているようなら、部活のほうが選抜を身近に感じるかもしれません」

なぜなら、

クラブチーム→トレセンはJFAの管轄になり、範囲も広く、入るのはかなり難しい

部活→細かいブロックや支部ごとに選抜制度があるのが普通で、比較的身近な存在として選抜がある。人数比でいうと、入れる確率が高い

という実情があるからです。※上記が原則ですが、お住いの地域によって若干異なるところもあるようです。

試合数

池内「試合は、中学校では中学3年生がメインになります。クラブチームは各カテゴリー(U13、U14、U15)ごとに公式戦があり、リーグもありますので試合数は確保できます。

中学2年生くらいまでは成長期です。第2次成長期はサッカー選手としてのその後の成長に関わる時期でもあります。この時期に公式試合が多いか少ないかがその後に関わってくる可能性もあります」

クラブチームと部活の試合数の違いを調べてみました。

クラブチームの試合数

東京都の場合、

・U13 都クラブユース選手権
・東京フレッシュカップ(U13)
・U14 都クラブユース選手権
・東京フレッシュカップ(U14)
・U15 日本クラブユース選手権U15
・高円宮杯 東京都ユースU-15リーグ

があり、いずれもリーグ戦が導入されています。都クラブユースU14で計算してみると、年間を通してリーグ戦が行われ、決勝に進出しないチームでも14試合が行われます。

東京フレッシュカップは1次リーグで下位になると、実力の拮抗するチームごとのリーグになります。こちらが年間8~9試合行われます。

このリーグ戦だけで、U14は年間22~23試合が行われることになります。

参照サイト:東京都クラブユースサッカー連盟

部活の試合数(東京都の場合)

部活の場合は、中学校体育連盟に所属します。

・U13 なし(それぞれの支部ごとの夏季大会や冬季大会がある場合もある)
・U14 東京都新人大会
・U15 東京都中学校総合体育大会(夏季大会)

このほか、各支部及び地域ごとにスプリングカップやサマーカップを用意しているところもありますので一概には言えませんが、試合数では歴然とした差があることがわかります。

東京都の場合、中学校の中ではTリーグ(高円宮リーグ)に参加している中学校もあります。ですが、一部の私立中学や公立中学に限られます。ほとんどの公立中学はTリーグへの加盟はしていないのが実情です。

参照サイト:東京都中学校体育連盟 サッカー専門部

試合時間

クラブチームの公式戦は、部活の公式戦よりも各カテゴリーで5分~10分長いのが普通です。

U15年代の日本代表チームはU17に向けての予選に参加する際には40分ハーフを戦わなければなりません。U15代表はほとんどがクラブチームの在籍者です。この大会に出場できる選手を育成するため、長めの時間になっていることが考えられます。

細かい5分、前後半10分の差が積もり積もると大きなスタミナの差になることがあります。現在、高校選手権の都道府県代表のプロフィールを見るとクラブチーム出身者が増加しているのは、このことも関係しているのではないでしょうか。

部活を選ぶときの注意点

池内「部活は学校によってそれぞれですが、選ぶときの指針としては、ここに気を付けると『こんなはずじゃなかった』がなくて済みます」

注意点としては、

・同学年が11人以上入りそうかどうか
・熱心な先生は在校何年めか(公立学校は異動が避けられないため)
・顧問の先生は熱心か

などが上げられました。

「顧問の先生」という要素がすべてではありませんが、やはり常勝校は熱心な先生が多いのが事実です。中学校の部活は顧問の先生を必ず置かなくてはなりませんが、サッカー経験者が必ずしもいるとは限らないので「弓道部しか持ったことがない」「柔道部出身です」という先生が顧問になることもあるのです。

学校によっては、指導者ライセンスを持った先生が顧問になっているところもあります。

また、公立学校でも熱心な指導者がいるところはJFAに加盟し、都道府県リーグなどの公式戦に参加できるようになっているところもあります。

クラブチームを選ぶときの注意点

GKコーチの存在

池内「部活には、GK専門コーチがいるところは少なく、GKのポジションはFP(フィールドプレーヤー)とは違うので、専門的なコーチがいるかどうかも大事です」

JFAに加盟しているか

クラブチームでも、JFAに登録していなければ日本サッカー協会が主催する大会の予選に参加することはできません。

池内クラブチームだからと言って、全チームがJFAに加盟しているわけではありません。

試合数など、選手に与えられる機会が変わってくることがあるので、入りたいクラブチームは事前にきちんと調べることをおすすめします」

クラブチームがJFAに加盟していないと、トレセンにも参加することはできません。

これを調べるには、入りたいクラブチームがクラブユースサッカー連盟に加盟しているかどうかを確認するのが良いようです。

クラブユースサッカー連盟は、各都道府県に設置されています。

サッカー推薦はもらえるのか?

アルテサッカー推薦photo:Eric Lewis

サッカーと言えば冬の高校生選手権。「振り向くなよ うつむくなよ」もテーマソングも冬の定番となりました。

ジュニアユースたちも高校選手権へのあこがれは強く、クラブチームでも約9割が高校では部活を選択するようです。

池内クラブチームに入れたからサッカー推薦の道があるだろうと勘違いして勉強から手を抜くのは間違いです。

どこどこのクラブにサッカー推薦の枠があるというものではありません。部活も同様です。サッカー推薦の時の選手の技術と能力によってサッカー推薦は決まるものです。

そのため、勉強から手を抜いてはいけません

東久留米総合高校の場合(平成27年度)

中村憲剛選手など、多くのJリーガーを輩出していることで有名な、東京都立東久留米総合高校の推薦制度を調べてみました。

詳細は次のページへ

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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