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「認められると子どもは伸びる」全日本少年サッカー大会全国大会で、フェアプレー賞2回、特別賞1回を受賞したサッカークラブの指導方法とは FCアミーゴ(鳥取県)金坂 博監督インタビュー

鳥取県境港市を拠点に活動するFCアミーゴはジュニア、ジュニアユースの選手達が活動するサッカークラブです。

1989年の創設以来、全日本少年サッカー選手権大会の全国大会には15回、バーモントカップ全日本少年フットサル大会の全国大会には4回の出場経験があり、全日の全国大会では2回のフェアプレー賞、1回の特別賞を受賞しています。

どんなことが、FCアミーゴを3度の受賞に導いたのでしょうか。
ジュニア、ジュニアユースのチーム指導に当たる金坂 博監督にお話を伺いました。

電話取材/文 CRANE
画像引用:FCアミーゴ公式HPFCアミーゴfacebook

金坂 博監督インタビュー

FCアミーゴ代表 金坂 博

【サッカー経歴】
小学校 福米東SC (FW)
中学校 福原中学校 (MF)
高 校 米子工業高等学校 (MF) 3回全国大会に出場(インターハイ2回、選手権1回)

【資格】
JFA公認サッカーC級コーチ
JFA公認サッカー3級審判員
JFA公認フットサル4級審判員

【指導モットー】
1人1人の可能性を信じて、一緒に夢中になってサッカーをしたい!
子ども達には、真っ直ぐな自分の気持ちを信じて、進んでほしい。
『正解なんて自分で探せばいい!だって本当は誰も知らないから!』

参照:FCアミーゴ公式HP

リスペクト、諦めない気持ちに導かれた受賞

ーーーFCアミーゴはこれまで、全日本少年サッカー選手権(現全日本U-12サッカー選手権)の全国大会において、2度のフェアプレー賞、1度の特別賞の受賞経験があると伺っています。

金坂 博監督(以下、金坂)
そうなんです。
初めてフェアプレー賞を頂いたのは、2011年に行われた第35回大会でした。
この頃は、現在とは異なり、予選リーグを勝ち抜いた24チームの中から「イエローカードの枚数が一番少ないチーム」という判断基準があったようです。

その後に改定され「指導者や選手同士の声掛けのしかた」「試合への取り組み方」「ベンチワーク」などの様子を見ての、加点方式での評価になったのだそうです。

2014年度大会では特別賞を、2015年度大会では二度目のフェアプレー賞を頂きましたが、最初の受賞の時のように分かりやすい基準が無い中、2年連続受賞したことには、びっくりしてしまいまして(笑)
「どんなことが受賞のポイントだったのだろう?」と思い、JFAの方に理由を聞いてみたんです。

2014年度大会の特別賞は、1次ラウンドの最終試合でのチームの様子が受賞理由だったようです。

その試合は、他の全国大会での優勝経験を持つ強豪クラブとの試合でした。
1分け1敗で、次に負けたら2次ラウンドに進めない。その状況で迎えた強豪との渡り合いは、大差を付けられることも予想できました。

しかし、選手達は誰一人諦めていません。
「どのように戦えば勝機をつかめるのか?」
直前まで選手達と話し合い、試合に臨みました。

1点ビハインドで追いかける展開の中、私達はなんとか追いつき、後半には勝ち越し点もあげました。
そこで終われば良かったのですが、終了間際に相手陣内で、ヘディングで競り合った仲間の選手と相手の選手が倒れこんでしまいました。その二人のところへアミーゴの選手は駆け寄って行きましたが、プレーは続行し、そのまま相手チームの選手がドリブルで運び、キーパーと1対1になり…2-2と追い付かれ、直後に試合終了となり、引き分けました。
強豪相手に引き分けただけでも快挙ではありましたが、1次ラウンドは3位に終わり、2次ラウンドに進むことは出来ませんでした。
しかし、その試合でも選手全員がピッチに立ち、いろいろなポジションを経験して素晴らしい試合をしたことや、選手達の熱意、アクシデントが起きた時の様子などが審判や判定員、大会を運営してくださる方々の心に残ったのだそうです。

私達のクラブは、ベンチに入った選手、全員で試合に挑む方針です。
ポジションも固定せず、色々なポジションを経験します。
特別賞、その翌年の二度目のフェアプレー賞は、そういったベンチワークも評価されたようです。

私達のチームの雰囲気を作り出しているとも言える活動、保護者向けの教育セミナーやイベントの実施がこの評価に繋がっていると聞きました。

子ども達の未来を見据えた取り組みが、二度目のフェアプレー賞や、特別賞の受賞に繋がったことはとても嬉しく、一度目の時よりも感慨深いものがありました。

自分で出した答えこそが正解

2019年度のブラジル遠征での様子

ーーー育成年代の選手にとって「フェアプレー」とは、どんなことだと思いますか?

金坂
「サッカーが好き」「サッカーが楽しい」という気持ちを根底に、失敗を恐れずに挑戦すること、自分や仲間を信じて一生懸命戦うことではないかと、私は思います。

個人が伸びていくには「自由な発想を持つ」「人とは違うことをする」ということも大事なことです。
サッカーは「相手の裏をかく」スポーツで、そこに面白さがあると思うんです。
磨いた技術を自由な発想で使いこなすには、楽しむ気持ちは不可欠ではないかと。
大人から「こうしなさい」と言われたことをするだけではなく、子ども自身が自分で考えたことを体現する。
その結果として素晴らしいプレーが生まれたら、見ている人も楽しめますよね。

スポーツにはルールがあります。
しかし、ルールを守るためにスポーツがあるというよりは、熱い気持ちで挑む真剣勝負だからこそ、ルールが必要になるということなのかもしれません。

ジュニアユースになると、毎年ブラジル遠征に行くんです。
FCアミーゴのクラブ創設者である、拝藤 均さんが繋いでくれたご縁で、アルモニア学園という日本との交流を積極的に行う学校が主催する大会に参加します。
招待された日本のチームはブラジルの強豪、サンパウロ、コリンチャンス、パルメイラス、サントスの同年代チームと総当たりで戦えるんです。選手達にとっては非常に貴重な経験ができるチャンスなんですよ。

個人スキルの差はそれはそれはすごくて。それこそボコボコにやられるんですが、ブラジルの選手達の持つサッカー観を肌で感じることが出来るのは、個人はもちろん、チームとしてもプラスになっていると思います。

彼らは当たりも強く、ファールもして当たり前。
むしろ、ファールもプレーの一部と言いますか…「なぜ日本の子は当たりに行かないのにボールを取られてがっかりしてるんだ?必死に止めに行かないのに悔しがっている姿が理解出来ない」と言われたこともあります。

確かに、ファールを恐れるあまり、身体を張れないということもあるかもしれません。
しかし、試合にはルールがあり、審判の裁きがあります。ファールをしたらFKやPKなどのペナルティが与えられるんですよね。
なので「ファールを取られないようにプレーする」というより「チームの為に体を張って守る。それでファールを取られたら甘んじて受ける」という考え方なのだなと思います。

もちろん、相手に怪我をさせるような危険なプレー、怒りの感情に任せたプレーは言語道断、絶対にしてはいけないことです。
ですが、勝利をかけて戦うスポーツで「負けたくない」という熱い気持ちの、泥臭いプレーが出来るようになれば、サッカー選手として更に成長できるのかもしれないな、と。
ブラジル遠征で現地の選手達との交流を通し、考えの幅が広がりましたね。

年齢が上がるにつれ、試合への熱さも増してくると思うので、等身大の気持ちを大切にしながら、失敗を恐れずチャレンジしてもらいたいと思います。
相手や仲間へのリスペクトを忘れず、様々な経験を通して、自分だけの正解に辿り着いて欲しいですね。

認められると子どもは伸びる

ーーー子ども達が自発的な行動を起こせるようになるには、声掛けにもポイントがありそうですね。どんな声掛けをすると良いのでしょうか?

金坂
「大丈夫だから!勇気を出して挑戦しよう」
うちのチームでは、ピンチになると、よくこの言葉をかけています。
J下部や強豪チームとの対戦では、10点以上の差を付けられることもあるのですが、そういう試合の時でも「大丈夫」と言って子ども達を励まします。

そして、例え小さな成果であっても、見逃さずに「今は出来てたよ!さっきよりも早くプレスに行けてたよ!」というように、声をかけ続けるんです。
出来たことを認めると、子ども達がやる気を失うことはありません。
全員が最後まで諦めずにチャレンジを続けます。

以前、ボコボコにされた全国大会の試合の後で、JFAの方から「1時間に満たない試合の間で、アミーゴの選手達はどんどんうまくなるのが分かりました」と言って頂けた時は、すごく嬉しかったですね。
短い時間であっても、取り組み方次第で人は成長することが出来るということを実感した瞬間でした。

練習の成果を出すことに「焦り過ぎてはいけない」ということも念頭に置くべきかなとも思います。
子ども達は急には変われません。
出来ないことを責めるのではなく、出来たことを認める。
10回抜かれてしまったけれど、11回目にボールを奪えた。この1回にたどり着くためにチャレンジした過程と、その成功を認めることで、子どもは成長を実感することが出来ます。前向きにチャレンジすることと、成功体験を増やしていくことが大切なのだと思います。

目の前の勝利だけに囚われるのではなく、ずっと先にある未来を自分の足で歩いて行けるようにすること。
教えられたことしか出来ない子どもにならないように、いずれ社会に出た時に自発的に行動が出来る人になれるように。

教えるのではなく、子ども達が自分で考え、答えが出せるような声掛けを心がけています。

大切なのは気持ちを伝えること

ーーーオフザピッチにおいては、どんなことを大切にされていますか?

金坂
基本はサッカーをしている時と同じ考え方なのですが、特に大切なこととして指導していることが「挨拶」です。
とはいえ、それは決して「常識だから」とか「しなくてはいけないものだから」というアプローチではありません。

「挨拶された人が喜んでくれるような、気持ちのこもった挨拶をしよう」と言う話をしています。
気持ちのこもっていない、いい加減な態度でする挨拶は、していないのと同じことだと思うんです。
挨拶のしかたひとつでその場の雰囲気、そこからの関係、物事の運びが変わってくることもあります。

大会では、選手達が指導者に促されて、本部に挨拶しに行く光景を目にすることがありますが、アミーゴの選手達は、一通りの準備が終ると、皆揃って自発的に挨拶に向かうんです。
子ども達にとって、挨拶をすることが楽しく、自然なことになってくれていたら、嬉しく思います。

また、喧嘩やトラブルが起きた時は、出来るだけチーム内で共有するようにしています。
当人同士と指導者で一緒に話し合い、両方の気持ちを確認し、何が原因でそうなったのか、次に同じことが起こらないようにするにはどうすれば良いかまでを話し合います。

チームで共有しておけば、当事者以外の選手達も気を付けて見守るようになってくるんですよね。
そうなると、僕が出て行かなくても子ども達だけで解決できることも増えてきます。

チームの風通しを良くして、良い関係を築いていけるように、子ども達にはサッカーをしている時でも、そうでない時でも自分の気持ちをしっかり伝えられる人になって欲しいと思っています。

FCアミーゴ チーム情報

指導理念
■自立&自律
自立するために自律するのである。めまぐるしく変化し続ける環境に適応するため。
自立とは、自分で自分の未来を作る事。

■将来像
・目標に向かって努力し続ける子ども
・グローバルな視野を持った子ども
・仲間や自然を大切にする子ども
学校や家庭だけでなく、地域社会を通して自立した子どもを育てたい。

コース紹介
キッズ(~2年生)
ジュニア(3年生~6年生)
ジュニアユース
レディース

スタッフ
総括
拝藤 均

ジュニアユース監督
金坂 博

ジュニア監督
美濃 勝

指導者
小原 洋司
柳原 純一
石倉 広三
山本 明日真

アミーゴOBコーチ
勝田 真央
石田 颯輝

ジュニア実績
2015年度 第39回 全日本少年サッカー大会全国大会 フェアプレー賞
2014年度 第38回 全日本少年サッカー大会全国大会 特別賞
・2011年度 第35回 全日本少年サッカー大会全国大会 フェアプレー賞
(1989年の創立以来、全日本少年サッカー選手権大会の全国大会には15回、バーモントカップ全日本少年フットサル大会の全国大会には4回の出場)

ジュニアユース実績
2018年度第24回全日本ユース(U-15)フットサル大会 中国大会 出場
・2018年度第24回全日本ユース(U-15)フットサル大会鳥取県大会 優勝
2018年度高円宮杯U-15鳥取県サッカーリーグ2018 1部リーグ 第2位
2017年度第23回全日本ユース(U-15)フットサル全国大会 出場(鳥取県初)
2017年度第23回全日本ユース(U-15)フットサル中国大会 優勝(鳥取県初)
2017年度高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会中国大会 出場
2017年度高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会鳥取大会 優勝
2017年度第32回日本クラブユースサッカー選手権大会(U-15)大会中国大会 ベスト8

FCアミーゴHPはこちら

最後に

金坂監督のお話を通して、フェアプレーとは、単純にイエローカードの枚数が少ないということだけではないのだな、と感じました。

ピッチ内外での行動、仲間や相手へのリスペクト、一生懸命さ。
それらのことは、賞をもらうためにしていることでは、決してありません。
フェアプレーとは、内面から溢れて来る思いそのものに、自然と導かれるものなのだなと思いました。

貴重なお話をありがとうございました。
金坂監督と、FCアミーゴの今後ますますのご活躍をお祈りしています。

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2020年8月にライター歴3年目に突入、サッカー娘の母歴は丸10年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

このところ、8チームから12チームくらいの規模の大会も戻ってきているのではないでしょうか。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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