[9.5 プレミアリーグEAST第12節 流通経済大柏高 1-2 前橋育英高 流通経済大柏高G]
努力で這い上がり、“プレミアリーグ屈指のボランチ”に成長。プロ入りを勝ち取った。流通経済大柏高(千葉)のMF内田煌生(3年=クラブ・ドラゴンズ柏U-15出身)は、8月4日にカターレ富山から2026-27シーズンの新加入内定が発表され、進路が決定。9月5日のプレミアリーグEAST・前橋育英高(群馬)戦で内定発表後、初の公式戦に臨んだ。
流通経済大柏高の富山内定MF内田煌生(3年=クラブ・ドラゴンズ柏U-15出身)は攻守に存在感のある動き
[9.5 プレミアリーグEAST第12節 流通経済大柏高 1-2 前橋育英高 流通経済大柏高G]
努力で這い上がり、“プレミアリーグ屈指のボランチ”に成長。プロ入りを勝ち取った。流通経済大柏高(千葉)のMF内田煌生(3年=クラブ・ドラゴンズ柏U-15出身)は、8月4日にカターレ富山から2026-27シーズンの新加入内定が発表され、進路が決定。9月5日のプレミアリーグEAST・前橋育英高(群馬)戦で内定発表後、初の公式戦に臨んだ。
内田はダイヤモンド型の中盤の底のポジションで、前半から存在感のある動き。持ち味の守備範囲の広さによって中盤、DFラインを幅広くカバーし、セカンドボールを回収した。また、今年急激に進化させている攻撃面でも違いを示す。少ないタッチ数で正確なパスを配給。前半42分には、中央からのドリブルで相手を剥がして前進し、決定的なスルーパスを通した。
内田は「プロ内定っていうことが発表されて、より一層自覚だったり、責任を感じて、チームを勝たせないといけない立場っていう風になって、ワンプレーワンプレー、ほんとに全力で、下手なプレーはできないっていうのは思っていました」。決して、目立つようなプレースタイルではないが、特に前半は中盤での主導権をもたらしていた。
ただし、前半終了間際に自陣PA付近のボールをクリアし切れずに同点ゴールを献上。また、後半15分にカウンター攻撃で勝ち越し点を与えた場面についても、「自分が走って戻れなかった」と悔しがる。流経大柏は昨年、一昨年とプレミアリーグEAST後期に失速。それだけに、今年はその課題を打破するつもりで試合に臨んでいた。
だが、チームは1年生CB井上颯のゴールで先制しながら、2点目を奪えず、守備でも甘さが出てしまう。交代出場の1年生4人の奮闘などが光るも、1-2で敗戦。内田は「途中から入ってきた1年生はほんと良くやってくれて、ほんとに決めるところだったり、守るところ、走るところっていうのは、ほんとにこの試合に関しては3年生の責任というか、自分たちの代で勝たせるっていう気持ちが少し足りなかったゲームかなと思います」と指摘した。
自身は先週に負傷も、スタッフのサポートで復帰。足にやや不安がある中ではあったが、随所で特長を出していた。それでも「押し込まれた時間帯、苦しい時間帯で1個、自分が相手からボール奪って、運んで、押し返すことがもう何回かできれば、チームの流れっていうのは変わっていたと思う。(グループで守る部分を含めて2失点)そういうところに目を向けていけたらいい」。悔しい一戦を忘れず、自身とチームの成長に結びつける。
内田は榎本雅大監督から「(ボランチとしては)ぶっちぎっていますよ、プレミアで。先読みも良いし、中盤でコイツより良い選手はいないんじゃないかというくらい。前期見ていても、無理が利いている。アイツがいないと(中盤で)ダイヤモンドはできない」というほどの信頼と評価を受けている。
その内田は、指揮官が「努力の人なんでしょうね。先をちゃんと見てるんで。ずっと我慢してきて、チャンスをモノにしたらもう離さないみたいな精神じゃないですか。そういうことが報われて良かったなと思います」と認める人間性の持ち主でもある。
流経大柏の育成組織であるクラブ・ドラゴンズ柏U-15出身。同学年のDFメンディー・サイモン友(3年)やMF古川蒼真(3年)のように、1年時からAチームでチャンスを掴んでいた選手たちとは異なり、1年生チームでベンチや途中出場・途中交代のような悔しさを味わっている。昨年もスタートは千葉県1部リーグに所属するCチームだった。
「ほんとに1年生の時なんか、正直そこまで期待されて入った訳でもないですし。でも、毎日毎日練習で手を抜いたことはほんとに今まで一回もない。自分でもここまで来るとは正直思ってなかったですけど、やってきたことが報われたんじゃないかなと」(内田)。
徹底してきたことは「一番は守備でサボらないことです」。守備で誰よりも頑張ることが強み。その一方、昨夏の時点では攻撃で違いを生み出すような力はなく、奪ったボールはまず味方に預けることを意識していたという。だが、昨年の後期、プリンスリーグ関東2部を戦っていたBチームに昇格。そこで柏のボランチとして活躍した山根巌コーチの指導を受け、味方をサポートする位置や1タッチのパスの質、判断など攻撃面での進化を果たす。
そして、「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD」で昨年の10月末からリバープレート(アルゼンチン)に短期留学。2009年早生まれのMFは同12月、U-16日本代表に初招集された。代表チームでは自分の特長を出し切ることができなかったものの、「そこから自分はだいぶ変われたと思います。あの頃と比べたら全然自信が持てている」。今年に入ってからの代表招集はないものの、継続して活躍中。富山内定、“プレミア屈指のボランチ”がU-17日本代表入りと11月のU-17ワールドカップ出場のチャンスを掴む可能性は十分にある。
進路については、最も早く関心を寄せてくれた富山入りを決断。「富山も今はパス繫ぐサッカーで、流経と似てる部分もありましたし、先輩の亀田(歩夢)さんもいますけど、行ってみてチームの雰囲気もすごく良かったですし、(安達亮)監督(の存在)もそうですし、ほんと、自分ならここで成長できるんじゃないかと思って、結構自信を持って早めに決めました」という。
今後は富山内定選手として見られる中でのプレーが続く。「正直、目立った武器がこれっていうのは、自分はなかなか見えづらいタイプではあると思うんですけど、守備で言ったら、やっぱり走るところと、ボール奪うところと、攻撃で言うとゲーム作るところと、ワンタッチとかで運んで、スルーパスのところを期待して見てくれたらと思います」とコメント。そして、富山で「奪って運べたり、守備で走れたり、攻撃でも点も取れるような選手になりたいです」と力を込めた。
流経大柏での活動は長くても4か月ほどとなった。挫けそうな時期があったことも確か。自分の力だけでは乗り越えられなかったかもしれない。だからこそ、感謝。「自分の頑張りもあるとは思うんですけど、仲間、スタッフのお陰だと思います」。まずはチームのために戦うことが最優先。その上で、将来、ワールドカップ出場を目指すMFは「個人としての評価も高められたら」という考えだ。選手権は国立で2勝して日本一になること、またプレミアリーグのタイトル獲得が流経大柏での目標。「努力の人」は勝利、敗戦のあとも一喜一憂せず、日々に全力で取り組み続けて流経大柏での3年間を終える。
(取材・文 吉田太郎)
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