[7.4 プリンスリーグ東北第10節 尚志高 4-1 盛岡商高 尚志高校サッカー場]
注目ボランチが武器を極め、陰から尚志高(福島)を支える。U-17日本代表MF星宗介(3年=矢板SC出身)はダブルボランチの一角として先発出場。仲村浩二監督が「宗介があそこで、一人で網羅できる。宗介が1人で網羅できるってなるとウチの攻撃陣が活性化する」というように、守備範囲広く相手の攻撃を止め切り、味方の攻撃に結びつけていた。
星がU17アジアカップ(5月)で不在の期間は中盤を抜けられてしまうシーンが増えていたという。だが、この日は鋭いアプローチで相手に寄せ切っていたほか、スライディングタックルで盛岡商高(岩手)の速攻を止めていた。
攻撃でもDFライン近くでボールを引き出してビルドアップに係わり、自陣からのロングパスで勝ち越し点の起点に。また、盛岡商GK頭上へ強烈な右足ミドルを打ち込み、味方のスペースを生み出すためのスプリントも見せていた。
「自分は目立つのがあんま嫌なんで。自分より上手い選手はこのチームにいますし、陰で支えるようしていきたい。自分が犠牲になれればいいかなと思っている」というボランチは、U-17日本代表活動で学んだ「自分が走ることによって味方も受けやすくなる」を表現。効果的な動きでチームを活性化して快勝に貢献したが、より味方を動かして自分がボールを引き出すことにも取り組んでいく考えを口にしていた。
また、星は違いを生み出していた印象の守備面についても満足はしていなかった。「佐野海舟選手とかワールドカップを見させてもらって、彼はスライディングで取り切るっていうのがなくて、ちゃんと前に行けるような取り方、前進できるような取り方をしている」と分析する。
だからこそ、「スライディングじゃなくて、インターセプトとかそういうのを自分も極めていってシュートまで行けるような、前進できるような選手にならないといけないかなと思います」。日本代表MF佐野海舟(マインツ)は、星の目標であり、守備力や推進力で比較されることも多い選手だ。その佐野はワールドカップのブラジル戦でインターセプトから前進し、ゴールを奪うところまで一人で完結。もちろんスライディングが必要なシーンもあるが、星はそれに頼らず、より素早い読みやポジショニング、足の動きで前向きに取り切る回数を増やすことを誓った。
トレーニングから佐野のような読みを意識しているが、動くタイミングが速すぎるなど同じ守備をすることができていない。「佐野海舟選手は何であんな足が出るのか、ほんと凄いっていう感想しか出ないですけど、あんなギリギリまで見て相手の間合いを詰めれるっていうのはほんと凄いと思うんで、そこは見習ないといけないし、自分、アジリティとかもまだまだなんで、低い姿勢からのインターセプトっていうのはもっとやっていかないといけない」。目標とするボランチを見習って追求し続ける意気込みだ。
2009年早生まれの星は、佐野よりも早く世界での真剣勝負を経験することができている。年代別日本代表を経験していない佐野に対し、選手権などで活躍した星は今年2月にU-17日本代表に初招集されると、同5月にはU17アジアカップに出場した。
主軸ボランチはMF和田武士(浦和)とMF岩土そら(鹿島ユース)の2人だったが、星もピッチに立った際は他の選手たちを上回るような高強度のプレー。右ウイングバックも経験し、アジア制覇を果たした。「ほんとに世界が広く見えて、ほんとに楽しかったっていうのが一番の思い」。この経験、ビルドアップなど課題となったことをまずは自身の成長と11月のU-17ワールドカップメンバー入りに繋げる考えだ。
「(U-17ワールドカップは)ほんとに凄い大会なんで、そこを経験したみたいっていうのもあるんですけど、そこに行くためには、堂安(律)選手とか中村敬斗選手みたいに攻撃の選手も守備を精一杯やっているんで、自分も守備をやるだけじゃなくて、攻撃もどんどん行くっていうのも当たり前ですし、守備に関してはもっと上を目指して、ほんとボランチは競争が多いですけど、自分の持ち味を出さないといけないかなと思います」
7月25日開幕のインターハイは陰からチームを支えて勝利とアピール。「チームが勝つことが優先なんで、自分はもうほんとにチームのために走って、戦って、陰の存在で頑張りたい」。初戦の対戦相手は矢板中央高(栃木)と四国学院大香川西高の勝者。星は矢板中央の育成組織である矢板SC出身で、矢板中央には旧友もいる。「一番やりたくなかったですね」という相手と戦う可能性があるが、「勝負なんで勝たないといけない」。目標は優勝。中学時代や選手権、U17アジアカップからの成長をピッチで示し、陰の立て役者になる。
(取材・文 吉田太郎)
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