
[7.4 プリンスリーグ東北第10節 尚志高 4-1 盛岡商高 尚志高校サッカー場]
プリンスリーグ東北開幕10試合で9敗目。確かに結果は出ていないものの、伝統校・盛岡商高(岩手)は無敗首位・尚志高(福島)相手に多くの時間帯で渡り合えていた印象だ。
立ち上がりはDF背後の対応がやや乱れていたが、その一方で相手ボールホルダーに対して鋭いアプローチを連発。簡単には離されずに付いていき、球際の強度も高い。尚志の前進を阻止していた。
すると、前半12分に先制点。この日、前線で収まりどころになっていた10番FW北俣絢都(3年)が左サイドからアーリークロスを上げる。これに右WB北田那優(2年)が飛び込み、右足ダイレクトでシュート。相手の一瞬の隙を突く形でリードを奪った。
この後、やや守備が甘くなってしまい、前半15分、前半19分に連続失点。だが、切り替えたチームは相手のビルドアップに対して前向きに対応し、ドリブル、コンビネーションで剥がしに来る相手に身体を投げ出して食い止めていた。
また、守備一辺倒になることなく、北俣やFW櫻田希玲(3年)へ縦パスを差し込み、押し返していた。前半45分にはMF鈴木琥俄(3年)の意表を突く左足ミドルがクロスバーをヒット。推進力の光る鈴木は後半も力強い動きで前に出たほか、相手のU-17日本代表MF星宗介(3年)に競り勝って左足シュートを放つシーンもあった。

盛岡商は4年ぶりのプリンスリーグ東北参戦。鈴木は相手の寄せの速さや強度に岩手県リーグとの違いを感じているという。その一方、落ち着いて周囲を見て前進したり、逆サイドへ展開することやストロングポイントのPAに入っていく動きもできるようになってきている。この日は尚志にボールを保持され、運動量を発揮することや、元Jリーガーの中田洋介監督から学んだパス出し後に潜り込んでいく動きを発揮することはできず。それでも、力強い攻守によって、中盤で存在感を放っていた。
盛岡商は後半、前から相手のビルドアップに制限を掛け、DF陣もDF海沼朋来主将(3年)を中心に集中して守っていた。だが、後半37分、けがの治療で10人になっている時間帯で凌げずに失点。中田監督は試合後、「もちろんベンチからも言いましたけど、そこでもうちょっと、中で1人がいないっていう状況を理解しながらのプレーとか、入るまで我慢するっていうところで主体性というか、そういうところも出てこなきゃいけない」と選手たちに説いたという。
盛岡商は昨年、7年ぶりにインターハイ出場。海沼やDF山崎慧大(3年)、左WB土屋琉惺(3年)、鈴木、北俣と全国大会でも先発した選手たちを残す。彼らをはじめ、もっと中から発信できるような選手を増やしていかなければならない。試合終盤、MF楢山朝陽(2年)ら交代出場の選手たちも奮闘したが、さらに1点を加えられて1-4で敗戦。惜しい展開も決め切れずに加点され、中田監督は「今年を象徴するような試合です」と残念がっていた。
ただし、公立校の盛岡商はプリンスリーグ東北で私学勢やJクラブユース勢に対抗。多くの試合で“惜しい”戦いができているというだけに、一つの勝利が浮上のきっかけになるかもしれない。
声はまず変えられる部分。鈴木は「キャプテンだけが何かいつも声出すみたいな感じなんで、それで怒られたりしてるんで、そこはもうキャプテンだけの責任に任せないで、全員で出していきたいです」と力を込める。
そして、中田監督が「結構頑張ってやってくれた」と評した交代出場組や、すでに主軸に食い込んでいる1年生らと切磋琢磨しながら成長。鈴木は「1回、中断期間入るんで、夏しっかり強化して、目標であるプリンス残留と選手権取るっていうところは絶対やっていきたい」と誓った。目標は逆転でのプリンスリーグ残留と4年ぶりの選手権出場。この日の敗戦も糧にして伝統校・盛商は進化を遂げる。




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