
[6.28 東京都U-18リーグ1部第10節 国士舘高 1-1 多摩大目黒高 国士舘大学町田キャンパスグラウンド]
国士舘高(東京)のFW小網咲人(3年=FCヴィアージャ出身)が50m走6秒1の快足を活かした仕掛けで相手ゴールに迫り続けた。この日は、やや下がり目に位置するFW上田拓海(3年)と2トップを組んで先発。センターフォワードとしてボールを収める役割をする一方、随所で持ち味のスピードやアイディアを発揮していた。
後半5分には右サイドからのパスでDFを引き付けてスルー。これで背後の上田が抜け出し、先制点が生まれた。「(上田とは)結構相性が良くて、ゴール前の崩しがだいぶ上手くできている」というコンビネーションで貴重な1点を演出。また、小網はタイミング良くハイサイドへ抜け出し、そこからのカットインシュートにチャレンジしていた。

加えて、バイタルエリアで前を向いた際には、スピードに乗った仕掛けから右足を振りに行く。特に後半は繰り返しアタック。ただし、リーグ戦で得点できておらず、1点への思いが強過ぎたことが影響したか、強引に放った一撃がブロックされるなど、得点することはできなかった。
チームは試合終了間際の失点によって追いつかれ、1-1で引き分け。試合前の整列時に本田裕一郎総監督から「小網! FWはゴール」と求められていただけに悔しい結果になった。3月の関東大会予選ではバイタルエリアでボールを受けてからの高速ドリブルやシュートで一際目立つ動きを見せていたが、当時のシャドーストライカーからセンターフォワードになったことで役割も変化。与えられた役割で奮闘する一方、本人は期待に応えられていないと感じているようだ。
この日は最前線からのプレッシングでボールを取り切ったり、巧みなフリックでフリーの味方を活用しようとしていた。だが、雨中での守備や裏抜けで体力を使い過ぎたか、試合終盤は競り合いの回数が増える中で苦戦。相手に押し込まれる時間を増やしてしまった。
切り替えて1か月後のインターハイへ向けて準備。開催中のワールドカップでは日本代表MF鈴木唯人(フライブルク)のプレーが印象に残っているという。2列目でドリブルの推進力を発揮するなど自分と似たプレースタイル。現在はセンターフォワードとしてDFを背負うプレーが増えているが、工夫しながら前向きにボールを受ける回数も増やして決定的な仕事をすることを目指していく。
以前は自分の考えを押し通してしまう部分があったというが、冷静にコーチ陣からの助言を取り入れたりすることで少しずつ好転。名将・本田裕一郎総監督も「前よりは良くなっている」と頷く。指揮官は小網に対して頑張りどころの見極めを求めていたが、上手く力が発揮できれば「将来は大学サッカーやって、そこからプロ行きたいです」という高速アタッカーがインターハイで活躍する可能性は十分。東京都予選は準々決勝からの出場で1得点をマークしているが、全国大会では得意のドリブルとシュート、1試合で1点以上取れるところを示し、国士舘の上位進出に結びつける。
(取材・文 吉田太郎)
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