
[10.31 選手権茨城県予選準決勝 鹿島学園高 2-0 常総学院高 Ksスタ]
出られない選手の悔しさを知るリーダーが、チームメイトたちのために全力で戦い抜く。鹿島学園高はCB山田恒輝(3年=SOLTILO TOKYO FC出身)が怪我の影響でベンチのFW内海心太郎(3年)に代わり、キャプテンマークを巻いてプレー。内海の「頼むぞ」という声を受けてチームを引っ張り、決勝進出に貢献した。
「去年から活躍していた(ゲームキャプテンの)内海がちょっと今怪我で出れない状況で、チームキャプテンの自分が頑張って引っ張っていかなきゃいけないっていう立場で、正直、(試合内容としては)上手くいってないんですけど、ひとまず(勝って)ホッとしたっていうか、安心したかなっていう風に思います」

山田は過去2年間、両足首の怪我や膝の内側靭帯、骨挫傷、両ももの肉離れと怪我に苦しんできた選手だ。今年も脛や肩の怪我があり、主力組との力の差が拡大。前期のプリンスリーグ関東2部は出場することができていない。
だが、8月に守りの要である185cmCB群馬快太(3年)が肉離れで手術を受けて長期離脱。這い上がってきた山田は後期初戦からCBに入り、「僕は群馬ほどデカくもないですし、統率力もないんですけど、自分の強みは球際だったり、気持ちの部分で目の前のフォワードに負けないっていうところだと思うので、そこでまず潰して、そこから自分ができる最大限のパフォーマンスをしてチームに貢献していきたい」という思いでゴールを守っている。
山田自身も怪我に苦しんできただけに、群馬や内海の思いは良く理解できるという。「サッカーしたくてもできない時間がだいぶ長かったんで、怪我している子たちの気持ちを人一倍理解しているつもりですし、チームの代表としてピッチに出ている以上、情けないプレーはできないと思っているので、そういうところはちゃんと戦うようにしています」。今大会は全試合無失点で決勝進出。ただし、相手に幾度かシュートチャンスを与えてしまっただけに満足はしていなかった。
鹿島学園で先発するために取り組んできたことは「自分の強みを伸ばす」。紅白戦で全国トップクラスの内海やFWワーズィージェイヴェン勝(3年)とマッチアップしてきたことで対人プレーを強化。また、スピード感を高めてきた。その成果もあり、この日は同じく秋に台頭してきたCB澤崎移太(3年)らとともに相手の攻撃を封鎖。長崎内定GKプムラピースリブンヤコ(3年)にも助けられながら、80分間を守り抜いた。
次は決勝(11月7日)。日本高校選抜で主将も務めたCB齊藤空人(現・東京農業大)らから寮生活を含めて学んできたことも表現する。「今までやってきたこと以上のことはできないと思うんで、そこをしっかり100パーセント発揮できるように、プラス120パーセントにどれだけ持っていけるかっていうのは、多分、自分たちの勝ちたい気持ちだったり、そういうところにかかってると思うので、決勝で当たるチームよりも勝つっていう気持ちをまず大事に戦いたいと思います」。怪我を乗り越えてきたリーダーがチームメイトたちとともに茨城制覇を喜ぶ。
(取材・文 吉田太郎)
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