桐蔭学園高は準決勝から先発7人を代えて決勝戦に臨んだ。中2日でプリンスリーグ関東1部の千葉U-18戦を控えているため、疲労面も考慮。エースMF吉本翼(3年)やGK小島望蒼(2年)を欠く中での戦いだった。
だが、MF中田陸(3年)が「別にやることはそんなに変わらないし、前半は前に長いボールを入れて、FW2人中心に結構背後取って攻めれたと思うし、前半の守備とかは、後ろのCB2人中心によく耐えてくれて、GKの(近江屋)雄大も1対1止めてくれて、ほんと助かった部分があったので、自分たちの思っている展開で後半臨めたので、それが凄い良かったんじゃないかなって思います」と振り返る。
迎えた後半5分には、敵陣左中間でFKを獲得。これをMF中山智裕(2年)がまず前方のMF高橋悠主将(3年)へ短く入れ、折り返しを左足でゴール前に蹴り込む。ファーサイドを狙ったボールに中田が反応。頭で合わせると、ボールはGKを弾いてゴールラインを越えた。
「良い感じにボールが来て、正直、枠入れて、中のやつが詰めてくれば良いかな、みたいな感じだったんですけど、何か良い感じで入りました。とにかく枠に入れることを第一に考えていたんで、それができて良かったです」と中田。ほぼベストメンバーだった桐光学園に対し、桐蔭学園は主軸の高橋、CB水本優心(3年)、左SB山本龍海(3年)、中田に加えて出番を得た選手たちも強敵と渡り合えるところを示して先制点も挙げた。
ただし、中田は「点取った後に少し蹴り過ぎてしまって、相手のペースに持っていかれたっていうのはあった」と反省する。後半はU-17神奈川県選抜にも選出されているサイドアタッカーの中田がシュートシーンに係わっていたが、全体的にボールを簡単に離してしまう部分が増加。逆に試合終盤は桐光学園の強度や切り替えの速さに苦戦して押し込まれ、連続失点で逆転負けを喫した。

中田は今季のプリンスリーグ関東1部開幕戦で先発出場したが、右足首の靭帯を断裂して離脱。インターハイ予選で完全復帰となった。ただし、「準決勝までは『やってやろう』っていう自分の中で気持ちはあったんですけど、それがちょっと裏目に出て、あまりいいパフォーマンスではなかったですし、凄く反省する部分の方が多いと思った」。家族やチームメイトに相談し、「上手くいかないのは仕方ない」と少し割り切って臨んだ決勝でゴールを決めた。
「自分の中で決断することができて、そこで今日はちょっと何か気持ち的に凄く戦うことができたんじゃないかなって思っています」。桐蔭学園は敗れこそしたものの、攻撃のキーマンの一人である中田が復調の兆し。またGK近江屋雄大(3年)やCB鈴木悠剛(1年)、FW松尾健吾(1年)が健闘するなど次に繋がる戦いになった。
昨年のインターハイは、初戦で京都橘高(京都)に5-0で快勝。だが、続く2回戦で学法石川高(福島)に0-1で敗れた。相手が初戦だったのに対して自分たちは2試合目という影響もあったか、チャンスを活かせず。FW瀬尾凌太(現・法政大)を擁し、上位進出の可能性を秘めていたが、「ほんとにまだまだ覚悟とか思いとかがまだまだ足りないから」と八城修監督は指摘する。
この日の決勝も、出場したメンバーで勝ちにいったが、悔しい逆転負け。ただし、インターハイに連続出場できたことは大きい。八城監督は「単純に選手も自信を持ちますし、いくら自信持てって言ったって、結果が出ないのに自信は持てないので。そういう意味では、1つ桐光さんとできて、そういう強度とか、彼らは凄く良いところを学んで、自分たちも成長していかなきゃいけないなって思いますし、ほんとに経験という意味ではインターハイ、本当に出ることができて嬉しいです。(今日は勝つことはできなかったので、)あと1か月しっかり鍛えるっていうか、もっともっといい選手に、いいチームになっていくしかない」と語った。
昨年のインターハイで2試合にフル出場している中田は2度目の全国舞台へ向けて「1個でも多く勝つのを目標にしていますし、やっぱ自分はそこで連戦のキツさとかを知っているので1戦目しっかり勝って、2戦目にどうやって繋げていくかっていうのをチームに共有したり、あの舞台を知っているのはやっぱり僕とGKの(近江屋)雄大なんで、先陣切ってしっかり戦って、チームを引っ張っていけるようにやっていきたいです。もちろん、全国優勝目指して頑張ります」と力を込めた。1年前の経験も持って全国大会に臨み、勝ち上がる。
(取材・文 吉田太郎)
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