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秀岳館高校サッカー部の育成の根底にあるものは?Jリーガー11人を育てた段原一詞監督インタビュー

広告を打たない、宣伝もしない。
それでも入学希望者が全国から秀岳館高校サッカー部に列をなします。

指導者歴の中で今まで2度の全国大会に選手たちを連れていき、2021年シーズンに11人目のJリーグ内定者※を送り出した秀岳館高校サッカー部、段原一詞監督にその理念を伺いました。

※内訳:Jリーグ9名(秀岳館)2名(明徳義塾)Kリーグ1名(秀岳館)

お話を聞かせてくれた人

段原監督

段原 一詞 監督
1997年 高知県明徳義塾高校サッカー部監督
2001年 熊本県秀岳館高校サッカー部監督
明徳義塾高校監督時代に1度、秀岳館高校監督時代に1度(2020年現在)、全国大会にサッカー部を導いている。※
輩出したJリーガーは2021シーズンロアッソ熊本加入のターレス選手、ケンタ選手で11人目になる。
秀岳館高校校長代行、英語科教諭。

※明徳義塾 全国選手権1度(初出場)インターハイ1度(初出場)四国大会3度
秀岳館 全国選手権1度(初出場)九州大会2度

あきらめない心は訓練で手に入る。

ーーー秀岳館高校サッカー部は、有名選手獲得のためのアプローチをしないと伺っています。それでも卒業時にはJリーガーが育っている、そこにはどんな秘訣があるのでしょう?

段原一詞監督(以下、段原監督)
僕は、人生の成功っていうものは人間力の向上のその先にあるものだと思ってるんです。
人間力が向上しない人間に、成功は得難い。

人間って、あきらめる心とあきらめない心、両方を持っていますよね。
高校生は発達途上ですから、この心を2つどちらも持っているわけです。

あきらめない心を習慣化してあげて、あきらめる心を無くす。
マインドの習慣化ができさえすれば、成功はおのずと近づいてきます。

悪い言葉のシャワーを自分に浴びせている子っているじゃないですか。
「俺って駄目なんだ」みたいに。

でもそれを言い始めると、一番最初にそれを聞いてしまうのは、自分の耳なんです。
自分に自分で「俺はだめだ」と言い聞かせているのと同じになってしまう。
逆に、「俺はできるんだ」と言えば、自分に「俺はできる」と言い聞かせられる。

人間は、訓練しないと「あきらめる心」のほうが習慣化してしまいがちなんです。

マインドを習慣化して、「あきらめない心」を習慣化させる。

うざい、たるい、きつい、どうせ無理。感情的なアプローチでコントロールされている子たちが「俺はできるんだ」になったら、おのずと成長はついてくるものです。

知識を持てば、人間は変われる。

僕がそれを学んだのは、教員になるために英語の勉強をしていた時の経験が大きいんです。

もともとサッカーばかりやっていた高校時代を経て、プロ入りという道も当時はなかったので、自衛隊に入りました。
自衛隊にもサッカー部があります。
全国大会もあって、それに優勝した時に明徳義塾高校のサッカー部の指導者に「うちでサッカー部の指導をしないか」と声をかけていただきました。

サッカー部の指導は午後から。
明徳義塾のサッカー部は全寮制なので、僕も学校の寮に入りました。
午前中にやった仕事は、焼却炉の掃除でした。

そこから一念発起して、通信教育で日本大学文理学部の英文科に入りました。
午前中は焼却炉の掃除。午後からサッカー部の指導。そして夜は勉強です。
4年間、1日3時間睡眠しかとりませんでした。

通信教育の大学は、本当に学びたい人しか集まってこない空間でした。
文学、哲学を本気で学びたいと思っている人たちと4年間いたことは、僕に新しい風景を与えてくれました。

一番学んだのは、知識を持てば人間は変われるということです。
逆に、知識がないと変われない。

欲求や感情を知識でもって操作できるのが大人なんだということを知りました。
今は英語科教諭として教壇に立ちますが、代わるための知識を与えるのが大人にできる仕事だと日々感じます。

指導者歴=学校寮に住んだ歴

ーーー明徳義塾でも寮にお住まいだったとおっしゃいましたが、秀岳館でも寮にいらっしゃるとか。

段原監督
はい、家族でずっと寮にいます。妻も、2人の子どもも。2人の子どもたちは今は大学生ですが、小さい時は寮の高校生たちに育ててもらったような感じですね。

僕たちは自分たちの家を持ったことがありません。
ずっと学校の寮で、サッカー部の子どもたちと一緒です。

四六時中サッカー部の子どもたちと顔を合わせているので、ちょっとした変化もすぐにわかりますね。

高校生にはいろいろなことがあります。友人関係も、うまくいっているときはいいのですが、うまくいかないときもある。
そこを乗り越えて、人間的に成長していかなければならない。
そういうことも全部ひっくるめて、生徒の未来を預かっていると思っています。

『人生、二度なし』

僕が預かっているのは、生徒の未来だけではありません。
秀岳館高校サッカー部の未来も預かっています。

今は僕が秀岳館高校サッカー部を預かっていますが、いつかはチームを渡す日が来ます。
そのとき、渡された人が困らないように、秀岳館高校サッカー部のブランド力とコンテンツをしっかりと確立させたいという想いがあります。

ブランド力は日本一を目指していれば自然についてくるでしょう。ですが、問題なのはコンテンツです。
コンテンツとは、何をしたからこういう過程をへて強くなれる、だからこういう練習をしようという具体的なものです。

今、ツールを使ったサッカー部の「見える化」を行っていますが、これもコンテンツ作りのためです。

僕がいなくなったら弱くなる秀岳館サッカー部では困る。
監督が異動してしまったから勝てなくなるサッカー部って全国にたくさんあります。

秀岳館がそうならないようにしたいんです。

僕の後に入ってくれる人間が苦労しないように、秀岳館サッカー部の持っているコンテンツをより魅力的な興味深いものとして、やり方を新世代に渡していきたいと考えています。

僕は『人生、二度なし』と思っています。
今できることを精一杯やって、バトンを新世代に渡していきたい。
それが僕の想いです。

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最後に

焼却炉、今の学校にはほとんどないものかもしれません。
当時は学校の裏庭などにごみを燃やすための焼却炉が必ずあり、毎日の清掃で出たごみはそこで燃やすことになっていました。

焼却炉の中に潜って、真っ黒になって掃除をする。
毎日毎日同じ作業が続く中で、
段原先生は「今の自分を変えたい」と思ったそうです。

秀岳館高校を目指す生徒さんのほか、今の自分を変えたくてどうしようか悩んでいる、そんな人の目にも届いたらいいなと思っています。

 

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
1974年生まれ。群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。ジュニアサッカー応援歴14年。

第98回高校サッカー選手権予選を最後に息子が引退。
高3の11月から受験生になりました。
高校2年生の保護者の方がもしここを見ていたら、
「たったの2か月でセンター爆上げは無理だから今からがんばれ」と
お子さまに教えてあげていただきたいです…

まだ小学生、中学生のお子さんをお持ちの皆様がうらやましいです。
今しかない瞬間、親も楽しんじゃってください!

サッカーにかかわるすべての人を応援しています。

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