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有吉佐織選手独占インタビュー【AFC女子アジアカップなでしこ代表メンバー】

2018年4月7日(金)にFIFA女子ワールドカップフランス大会の出場権をかけたAFC女子アジアカップのグループ予選が行われ、なでしこジャパンは初戦でベトナム女子代表と対戦します。日本女子代表は前回大会からの連覇が期待されています。初戦でスタメンに選ばれた有吉選手に昨年1月ジュニアサッカーNEWSが取材させていただきました。女子サッカーの進路についてお伺いしています。女の子でサッカーを頑張っている皆様と保護者様必見です。

 

2015年の女子サッカーW杯の決勝戦を覚えていらっしゃいますか?惜しくも優勝は逃しましたが、決勝トーナメントの対オランダ戦で先制点を華麗に決め、「なでしこのシンデレラ」と言われた選手が有吉佐織選手です。

現在日テレ・ベレーザで活躍中の有吉佐織選手に、少女選手の保護者のために「進路選択の決め手」と、「幼少期の保護者の関わり」についてインタビューさせていただきました。

インタビュー時のイベントの記事はこちら
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有吉佐織選手

出身:佐賀県
所属チーム:日テレ・ベレーザ
日本代表歴:2012年~

◆全日本大学女子サッカー選手権大会MVP
◆2013~2015 なでしこリーグベストイレブン
◆FIFA女子ワールドカップ・カナダ大会 代表メンバー
◆リオデジャネイロオリンピックサッカー女子 アジア最終予選代表メンバー

有吉選手は、佐賀県の出身ですが、中学2年生から鹿児島へ、大学1年生からは東京へという進路選択をしています。その思い切った進路選択の決め手は、いったい何だったのでしょうか。

中学進学:「女子がサッカーできる場所がない」

▲子どもたちに声を掛けながらプレーする有吉選手

有吉選手がサッカーを始めたのは小学校4年生の時。佐賀県にあるミルンFCというチームでした。お兄さんの影響で始めたサッカーでした。

お父さんやお兄さんとボールを蹴るのが楽しくて、そのままサッカーにのめり込んでいきます。

ーー「サッカーを長く続けられたのはなぜですか?」

有吉選手いつも「楽しい」と「好き」があったからです。父や兄とボールを蹴るのは、本当に楽しかった。

練習しなさいと厳しく言われることはなかったし、自分が練習したいからしていた感じですね。
男の子のチームで女子は自分ひとりでしたが、全く気にならなかったです」

小学6年生まで男子チームで続けた後、困ったのが進路でした。地元中学に進学した有吉選手でしたが、当時の佐賀県、有吉選手の中学校の通学範囲内には女子が入れるサッカー部がなかったのです。

それでもサッカーを続けたかった有吉選手は社会人チームに入りました。当時のヤング・ミッチーズ(現在のアレグリ・カミーニョです。

有吉選手中学1年生の時に出た九州大会で、神村学園高校の当時の監督に声を掛けられました。何人か声をかけている選手がいて、私はたまたまその中の一人でした。

当時、神村学園は高校の女子サッカー部としては有名だったのですが、中学の女子サッカー部はありませんでした。翌年から女子サッカー部を作るということで、部員を探していたようです。

監督は親にも話をしてくれました。親が私に「やりたい?」と聞いてくれたので、「やりたい!」と答えました。本人の意思を尊重してくれたのだと思います。中学2年生になる少し前から、神村学園の寮に入りました。高校もそのまま神村学園高校に進学しました」

こうして憧れの神村学園でプレーできることになった有吉選手は、全国高校女子サッカー選手権にも出場します。

大学進学:「日本トップレベルの大学でやりたい」

▲クーバー・コーチング・サッカースクールのイベントでボールにサインする有吉選手

大学進学:「日本トップレベルの大学でやりたい」

ーー大学は日体大(日本体育大学)ですよね。この大学を選んだ決め手は何だったんですか?

有吉選手「高校の監督に進路について相談したとき、いわれたんです。「サッカーばっかりするのもいいが、大学に行って勉強して知識をつけることも、友達を作って人間的に成長することもどちらも大事だ」と。だから大学に行け、人間的に成長しろ、ということだったんですね。

それを聞いて、大学でサッカーをしたいな、と思いました。その時に見に行ったのが日体大です。

当時は女子サッカーを今のようにテレビで見ることはできませんでした。日本トップレベルのサッカーというものを観たことがありませんでしたので、一度日本のトップレベルはどんなものなのか、見てみたいと思ったんです。

日体大は女子サッカーでは国内有数の強豪校です。当時は日本で一番強い大学でした。部活に参加させてもらったとき、2つ上に川澄選手がいました。一緒にプレーしたことで、ここでやりたい、日本一の環境で練習したい、と思いました。

だから、他の大学は見に行ってないんです。

他のトップアスリートやすごい指導者もたくさんいて、ここだと刺激がもらえるし、魅力的だと思いました。迷いはなかったです」

ーー「その進路に進んでよかったな、と思ったことはどんなことですか?」

有吉選手真剣にやる中で、つらいことも、悔しいことも、泣いたこともありました。ですが、それはすべて『うまくなりたい』、というモチベーションになりました。

私の進路を尊重してくれる家族がいたこと、そして自分がやりたいことをずっとやってきたことが今の私を作っています」

ちなみに、日本体育大学女子サッカー部は今年(2016年度)も関東女子サッカーリーグ1部で1位(1月現在)という戦績を誇っています。

自分の望む道に進むことは、たとえつらいことがあっても「やってよかった」という経験に変わる、という有吉選手の言葉には、共感する方も多いことでしょう。

中学2年生から寮に入った有吉選手ですが、そのサッカー生活を支えていたのは有吉選手の親御さんでした。小さいころ、お父さんやお兄さんと公園でサッカーを楽しんでいたという有吉選手。お父さんはどのような方だったのでしょうか?

参照サイト:関東大学女子サッカーリーグ

「父にサッカー経験はありません」

ーー「お父さんが一緒にサッカーをしてくれたんですね。お父さんも若いころサッカーをしてたんですか?」

有吉選手「父にサッカー経験はありません。ですから、取り立ててサッカーの知識があるというわけではなかったと思います。

でも、父は私のためにたくさんサッカーについて勉強してくれたんです。そして、よく一緒に練習してくれました。

一緒にたくさん練習はしてくれたんですけど、練習をしろと厳しく言われた覚えはありません。だからサッカーが好きでいられたんだろうと今でも思います」

親のサッカー経験に関わらず、子どもが一生懸命楽しんでいるものを一緒に楽しむ姿勢や、子どもが伸びようとしている時に一緒に努力してあげる姿勢が有吉選手のお父さんにはありました。

これは、サッカー経験のない保護者の方にも力強いエールではないでしょうか。

最後に、有吉選手から保護者のみなさまとジュニアサッカー選手たちのためにメッセージをいただいてきましたのでご紹介いたします。

有吉選手から保護者の皆様へ

小学生の頃から今までずっと親は、自分にあれしなさいこれしなさいと強要しませんでした。
そのおかげで私の場合は自主性が育ったと思います。

サッカーはとても頭を使うスポーツです。
同じ練習をずっとやっていても上手くなるのには限界があり、自分で自分には何が必要か考える力というのが必要です。

どうか、お子さんのことを温かく見守ってほしいと思います。

有吉選手からジュニアサッカー選手のみなさんへ

サッカーは楽しいスポーツです。
とにかく一番伝えたいのはサッカーを思いっきり楽しんでほしいということです。

次に、サッカーが好きならずっと続けてほしいと思います。

プロになりたい、なでしこに入りたい、とまで思ってない子も、趣味でもいいし、どんな手段でもいいから続けてほしいです。

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最後に

▲気さくにインタビューに応じてくれた有吉選手(手前は栗原)

地元に女子サッカー部のある中学校がないから、と言ってあきらめてしまっていたら、有吉選手が神村学園の監督の目に留まる可能性はありませんでした。

そう考えると、「サッカーが好きならずっと続けてほしい」という有吉選手の言葉が強く迫ってきます。

女子がサッカーを続けるのは、男子よりもはるかに大変です。進路を決めにくいことももちろんそうです。また未だに、日本代表レベルの選手であっても、境遇や環境は男子のそれに到底及びません。続けていくことすら大変な環境が、今ジュニア選手の女子たちも待ち受けているかもしれません。

日本国内の女子サッカーを取り巻く環境がよりよいものになっていくことを、心から望んでいます。

(取材・photo:栗原/構成・文章:Miz)

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
1974年生まれ。群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。ジュニアサッカー応援歴14年(現役続行中)。

得意技はおにぎり1辺きっちり8.5cmに成型できること。
だって今まで何個握ったと…!

2019年度の目標は、
もらった人が微妙な顔をしない写真を撮れるようになること。
すべてのサッカー保護者を応援しています。

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