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【九州の雄・福大強さの秘訣】部署制度導入で切り開く「新時代大学サッカー部のカタチ」

2018年8月31日から行われた2018年度 第42回総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント に九州第一代表で出場し、2回戦で準優勝の大阪体育大学に延長の末0-1で敗退したものの、全国ベスト16に名を刻んだ福岡大学サッカー部。
平成30年度第22回福岡県サッカー選手権大会決勝(天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会代表決定戦)では、決勝戦でギラヴァンツ北九州に延長戦の末、PK8-9でJチームを下して、天皇杯へ2年ぶりの出場を果たしたことは記憶に新しい。

乾監督率いる福岡大学サッカー部は1993年のJリーグ創設以来60人を超えるJリーガーを輩出している名門チーム。
九州大学リーグでも毎年安定してトップクラスの成績を残している福岡大学サッカー部が、今年は更なる進化を求めてユニークな活動を始めたと聞き、現役部員さんにお話を聞きました。

記事目次

◆サッカー部の中に「成長戦略部」?

◆福岡大学サッカー部ってどんなところ?

◆高校サッカーと大学サッカーの違いについて

サッカー部の中に「成長戦略部」?

—こんにちは!ジュニアサッカーNEWS副編集長のmarと申します!
今日はどうぞよろしくお願いします。
まずは自己紹介からお願いします。

【福岡大学サッカー部東さん(以下東さん)】
こんにちは、よろしくお願いします!
福岡大学スポーツ科学部スポーツ科学科4年生の東剣大(アズマ ケンタ)です。
福岡大学サッカー部の成長戦略部、部長として活動しています。

—え?サッカー部なのに、成長戦略部?ですか?

【東さん】
はい、そうです。
福大サッカー部では今年の4月から部署制度を立ち上げて、新しい取り組みを始めたんです。
僕はその中の「成長戦略部」の部長をやらせてもらっています。

—他にも部署があるんですか?

【東さん】
はい、あります。正確にいうと、部署は全部で10あります。
とりまとめ部署として「成長戦略部」と「総務部」。そして、「成長戦略部」の下に、広報部、モラル部、応援部、審判部、企画・運営部、トレーナー部、用具部、スカウティング部で合わせて10の部署が活動しています。

—サッカー部全員が、どれかの部署に所属しているのでしょうか?

【東さん】
全員ではありません。
最初は全員参加にしようかとも思ったのですが、やはり自主性を重んじて参加希望者だけでやった方がいいだろうという事になりました。
ですから、部署に参加するかどうか、どの部署に参加するかは部員の自由です。
今年は全部員の7~8割が参加していますね。
1年生は他にもやることが多く忙しいので、2年生以上が主体になっています。

—部長はやはり4年生が?

【東さん】
そこも自由にした結果、4年生部長が4人、3年生部長が5人、1年生部長が1人です。

—サッカー部内の風通しの良さを感じますね。そもそも、どうしてサッカー部内に部署を置こうということになったんでしょうか。

【東さん】
実は、昨年度僕たちA2チーム(※)では、選手が分析班、アップダウン班、強化班、セットプレー分析班にわかれて活動したんです。
そうしたら、自分がサッカーのプレー以外でもA2の勝利に貢献できている!という気持ちが湧いてきて。

選手は自分がピッチに立っていない場合、複雑な気持ちがどこかにあると思うんです。
自分もA2の試合に出たい気持ちがあるわけですし。
それでも、試合に出ている選手を心から応援できる気持ちになった。
そして、A2がIリーグ(インディペンデンスリーグ)九州で優勝し、全国大会へ出場という、とても内容の濃いシーズンになった。
この経験がすごく良かったので、今年度はA2から枠組みを広げて部全体でやろうということになったんです。

最初は上級生が下級生の分まで用具の整備や運搬を担当している帝京大学ラグビー部や、企業スポンサーを募ったり、ファンクラブを立ち上げたりしている筑波大学蹴球部さんの活動を参考にしたりしました。
やはり、そういう活動では関東、関西の大学サッカー部が進んでいると感じるので、九州では僕たちが!という気持ちもあります。
(※筆者注:福大サッカー部は九州リーグにA1,IリーグにA2、B select、B2、U-22の計5チームが登録している)

—今年の夏は、高校野球で大阪桐蔭の高校生データ班の活躍が話題になりました。
サッカーの選手としてプレーする以外にも、スカウティング活動に興味のある中高生もいるのではないかと思います。
福大サッカー部のスカウティング部はどんな活動をしているんですか?

【東さん】
うちのスカウティング部は、九州大学リーグの試合映像を撮影してきて、相手チームのストロングポイントやウィークポイントを分析します。
大学サッカーでは、ほぼ毎週末に試合があるので、平日前半で前週の試合に対する課題を修正して、木曜日に紅白戦、金曜日に体の調整をして週末の試合を迎えるというサイクルで動きます。
その中で、例えばトップチームだったら木曜日に紅白戦をする際、スカウティング部の情報を基にしてA2に次の対戦相手の仮想敵役をしてもらったりしています。
金曜日(試合前日)のミーティングでも、スカウティング部が分析内容を選手に説明する時間を設けています。

—今年度、まだ途中ですが、実際に活動してみてどうでした?

【東さん】
僕の成長戦略部というのは、週末の試合に向けて各部署にやるべきことを振り分けたり、進捗を確認したりするのですが、監督の意見と、部署の意見が食い違うこともたまにあって(笑)。
監督の意向と部署の意見の刷り合わせとかマッチングにはいつも気を配るようにしていますね。
サッカー以外の面では、監督に「こうしたい」という意見も伝えるようにしています。

それから、企画運営部は食事会を月イチで開催しているんです。
大学サッカーはどうしてもトップチームは活動が別だったり、別枠扱いになりがちで接する機会がないという場合も多いんです。
でも、やっぱりサッカー部が一丸となって戦うには、それではいけない、と。
それで、企画運営部がトップチームから下のチームまで学年も混ぜて食事会を企画しています。
サッカー部運動会なども企画してくれて、楽しみつつ、部員全体での一体感を作り上げることに繋がっていると感じています。

—審判部には一年生で既に2級を取得して、大学卒業までに1級、そのあとJリーグのレフェリーから国際審判員、W杯審判を目指している部員さんもいらっしゃるそうですね!福大サッカー部OBにはJリーグのレフェリーをされている方もいらっしゃるとお聞きしました。

はい、審判を目指しながらサッカー部の練習にも参加できる環境になっているので、いろいろな目線で経験が積めるのではないかと思います。OBの方の存在も心強いと思います。

審判部で活躍中の萩原さん紹介

現在福大サッカー部1年に所属の萩原さんは、高校生時代に審判2級を取得。プロのレフェリーを目指して、経験を積むことを目標に福岡大学サッカー部の門を叩く。
高校3年生時には、鹿児島県で開催の全日本少年サッカー大会の決勝で主審という大役を見事に勤め上げた。
スカパー!「Jのミライ」でも密着取材を受けるなど、若手審判界のホープ。

その他の部署も常にチームへの貢献を考えて活動してくれていて、とてもいい雰囲気で活動できていると感じています。

(参照:福大サッカー部(公式)Instagramより)

福岡大学サッカー部ってどんなところ?

—将来、福岡大学サッカー部に入ってサッカーがしたい!という小中高校生も多いと思いますので、いろいろ教えてください。まず、素朴な疑問なのですが・・・一般受験でもサッカー部って入れるんですか!? セレクションなどがあるのでしょうか??

【東さん】
入れますよ!僕も一般受験から入りました。セレクションというか、面接があって、それをクリアした人だけが入れます。ですから誰でも入れるというわけではないです。
僕の時は、10人入部希望者がいたのですが、結果として4人しか入れませんでした。
サッカーが上手ければ入れる、というわけではないですね。
サッカー部に「なぜ入りたいか」が明確でないと入れません。ただ「サッカーが好きです、やりたいです」ではダメなんです。
これは、入部した後も問われ続けます。
「なぜ福大サッカー部でやりたいのか」を3年生から4年生に上がる際に、監督との面談で聞かれます。
ここで強い「意思」が無い選手には監督からジャッジが下されて、3年生までで引退という形になります。
実際そこで半分くらいの人数になることもあるんです。

—そうなんですか!厳しい世界ですね。大学になると、一人暮らしの人も多いんですか?

【東さん】
そうですね。実家から通っている人は1割・・・10人くらいですね。
あとは寮か一人暮らしです。

—実家を離れて生活するというのは、自由ですけれど、自分を自分で律する力が求められますね。勉強しなさいと怒る人もいませんし(笑)。

【東さん】
自分で生活をキチンとできないとうちのサッカー部では厳しいですね。。。
勉強との両立に関して言えば、福大サッカー部は監督に成績の報告をすることになっています。
単位を落とす、とかあり得ないですね。
学生の本分は勉強なので、勉強をキチンとやって、その上でサッカーをやる、というのが当たり前だろう、という考え方が徹底されています。
単位を落としてサッカーをやってても、それはただ「サッカーが上手いだけの人」。
そんな人が社会に出て、やっていけるのか、ということですよね。

—乾監督の教育方針が徹底されているんですね。

【東さん】
はい、乾監督は僕たちの成績もしっかり把握しています。
大学の単位を落としているような人が社会に出ても、どうなの?
大学なんだから、勉学あってのサッカーでしょう、と。
うちでは、そこがブレている選手はサッカーでも重用されないです。
サッカーの実力だけで見ると、もっと上のチームでやれるだろうという選手でも、一番下に落とされたりします。
実際、そういう例はたくさんあります。
監督はトップチームだけじゃなくて、全カテゴリーのチームの練習もこまめに見に来ます。
それで良く選手を観察している。
そこが素直にすごいなぁと思います。

—なるほど、大学なんだから勉強をしっかりやってその上でサッカーをするのが当たり前、というのはよく耳にしますけど、チーム分けにもそれが影響してくるというのはシビアですね。
サッカーが好き!という気持ちだけではやっていけない世界ですね。
乾監督からは、学業優秀な特待生や学年ナンバーワンの成績優秀者も多数サッカー部に在籍しているとお聞きしました。

サッカーと勉強の両立を上手にされている方が多いということが伺えます。
日常生活の上でも、規律正しく生活することが求められるのでしょうか?

【東さん】
そこは自己責任ですね。これはダメ、あれはダメ、こうしろ、ああしろ、と細かく言われるわけではないですが・・・
サッカーの試合は、しっかりできていない選手のところから分かりやすく崩されます。
それは練習でも一緒なんです。

夜遅くまで起きていて、コンディションが整えられていない選手が同じチームにいれば、そこから崩される。
グラウンドで仲間に迷惑をかけることになる。
だから、チームへの責任感から、自然と自分の生活をキチンと整えないといけないという気持ちになってきます。

火曜日の朝は6時45分から全体ミーティングが行われますし、時間の自己管理は必須ですね。
こういった事がキチンと出来ない人は、うちの部では厳しいです。
夜更かしして、次の日の練習を迎えれば、100%出し切れないので、その日の練習が無駄になりますし・・・
日常生活とサッカーは繋がっているというのは、そういうこともあると思います。

—自然と自分の生活をコントロールしていく気持ちになっていくのが、すごいですよね。自分で気づいていくものでしょうか?

【東さん】
先輩の姿をみて、というのもありますね。
サッカー中は学年も年齢も関係ないですが、ピッチの外ではやっぱり先輩から学ぶというところも多いです。

高校サッカーと大学サッカーの違いについて

—少し福大サッカー部の「サッカー」の部分をお聞きします。高校サッカーから大学サッカーに進んで、違いに驚かされたことはありましたか?

【東さん】
フィジカルコンタクトの多さ、激しさに驚かされました。
高校では足元の上手さでなんとかなっても、大学サッカーではフィジカルが強いのが当たり前なので激しいプレーの中で技術が発揮できるのか、というところが求められます。
ですから、高校で活躍した選手が大学で活躍できるとは限らないです。
高校時代に無名だった選手が高校時代に活躍していた選手より伸びるというような、逆転現象もたくさんあります。
特に福大サッカー部はウェイトトレーニングに力を入れていて、フィジカルの強さに関しては全国でもトップクラスだと思います。

—そんなに大学サッカーではフィジカルの強さが求められるんですか!新入生の頃はついていくのが大変だったのでは?

【東さん】
練習内容は対人が多いので、とにかく最初はきつかったです。
まだ身体が出来ていないので、5~6月に10人くらいケガをしました。
身体を大きくするのは必須ですし、ケガをしない身体づくりを1年生のうちにしないと・・・
高校生からフィジカルを強化しておくのもいいと思います。
それとケガをしても、その間の過ごし方が重要ですね。
食べる、休む、身体のケア、トレーニングの4つをしっかり廻して自己管理できるようになるかどうかが大事です。
これが出来ないと、てきめんにケガにつながります。

—東さんは、現在コーチとしても活動しているとお伺いしました。コーチをするようになって、選手を見る目線は変わりました?

【東さん】
はい、3年生までで現役選手としては区切りをつけました。教員免許を取って教師になって、サッカー部の監督になりたいという目標があるので、コーチをさせてもらって勉強させてもらっています。
今は福大U-22というカテゴリーのコーチをしています。
コーチをしてみて、感じたのは・・・「自頭がいい選手は伸びる」ということです。
勉強もしっかりできる、メリハリがある選手は伸びますね。
逆に何回も同じことを言われてしまうとか、生活リズムがいい加減な人はサッカーの面で伸び悩む、ということを感じました。

—大学サッカーを目指す高校生の進路選びについて、アドバイスをお願いします。

【東さん】
これはあくまでも、僕が感じたことですが・・・
自分の適性にあったサッカーをする大学に行くべきだと思います。
大学選びは超重要です(笑)。
誘われたから行く、というのはあまりオススメしないですね。
そのためにも、可能であれば事前に大学サッカーの試合をたくさん見に行くといいですよ。
僕は高校生の時に、関東リーグの試合を良く観に行っていました。(※東さんは神奈川出身)
高校1年生の秋とか、高校2年生くらいから大学サッカーの試合を観に行っておくといいんじゃないでしょうか。
関東と関西、九州でもサッカーのスタイルが少し違うので、そういうところも意識して情報収集したり、実際に試合を観てみることが大切じゃないかと思います。

—なるほど!大学でのサッカーが自分のサッカーの集大成になる場合も多いですよね。
受験勉強を頑張るモチベーションにもなるでしょうし、大学サッカーの試合を観に行って、自分なりに研究するのは大切なことですね!

今日は貴重なお話をたくさん聴くことができました。ありがとうございました!
まだ今年度の活動も後半戦が残っていますね、頑張ってくださいね。

【東さん】
ありがとうございます!
新しい試みにこれからも挑戦していきたいと思っていますので、詳細が決まりましたら、またお知らせします!

—はい、ぜひお願いします!

しっかりとした自分の意見を持ち、丁寧に質問に答えてくれた東さんでした。
彼本来のお人柄もあるのでしょうが、入部の時から、監督に強い意思を持ってサッカー部で活動することを求められ、高い意識をもって3年間を過ごしてきたからこそ、こうして迷いなく質問に答えられるのかもしれません。
さすが、「人づくり日本一」を掲げる福大サッカー部だな、と感じさせられたインタビューでした。
(画像提供:福岡大学サッカー部)

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS副編集長mar
1974年生まれ 現在福岡県在住。WEBライター歴7年。主に引越しや子育て、教育分野のコラムを執筆。
2016年11月からジュニアサッカーNEWSライター。
現在副編集長 兼 福岡県担当。

今年の夏は暑かったですね。
熱中症対策で試合時間が変更になったり、大会そのものが延期されたりもしました。

何よりも選手の健康には変えられないですよね。

選手の健康を最優先された判断は素晴らしいと思います。

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