ジュニアサッカーNEWS

少年サッカー、中学生サッカー、高校サッカー、女子サッカー情報を速報で配信

福井県で記録尽くめの平章サッカースポーツ少年団に取材させていただきました!

第40回全日本少年サッカー大会 福井県大会で、福井県内の記録が更新されました。平章SSSが単独小学校の生徒のみで福井県初の三連覇、最多出場を達成したのです。

小学校単独チームとして初の福井県三連覇

小学校単独チーム。それは、単独の小学校の児童のみで構成されているチームのことです。福井県坂井市丸岡町には6小学校(平章、高椋、長畝、鳴鹿、明章、磯部)があり、そのうち4小学校(平章、高椋、長畝、磯部、※鳴鹿明章は合同チームとして活動中)は小学校単独チームとして4種に登録しているそうです。

平章(へいしょう)SSSは平章小学校の児童だけのチームです。平章小は全校児童数が312人。男子は各学年約30人ほどしかいません。そんな中で、各学年の男子児童のうち3分の1がサッカー部に入っているといいます。

丸岡町は福井県下では有名なサッカーのまち。人口は約3万3千人ほどしかいない小さな町ですが、福井県立丸岡高等学校サッカー部を始めとした県内強豪チームが各年代存在しており、福井県ではサッカー処として知られています。

小学校単独チームとして全日本少年サッカー大会福井県大会を三連覇している平章SSSの監督にお話を伺えることになりました。

玉村 努監督

kantoku平章小学校3年生のときからサッカーを始める。
小学校のとき、平章の選手として第15回全日本少年サッカー大会全国大会に出場。
丸岡中学校、丸岡高校でもサッカーを続ける。
丸岡高校在学時、高校サッカー選手権全国大会に出場。
高校卒業後、社会人チームでもサッカーを続け、旧丸岡町消防本部(現在は嶺北消防本部)で勤務。
このころから平章の指導者として後進の指導に当たり、今年で指導歴は19年目。

普段の監督はこちら

hudannnokantoku

まずは、決して楽な勝利ではなかった第40回全日本少年サッカー大会福井県大会から振り返ってみたいと思います。そこにも、指導者と子どもたちの大きなドラマがありました。

※児童数はしろのこ(平章小学校校長室だより 平成28年4月8日号)を参考にしました。

全日本福井県大会を振り返って

kurusiitatakai
玉村監督は、大会を振り返ってこう語ります。

「運も味方にしながら優勝を手にしました。結果から見てもお分かりの通り、大会中は三連覇のプレッシャーやとても厳しい試合内容であったため、胃も痛かったです。」

平章SSSの子どもたちについても伺いました。意外に、サッカーエリートではない小学生だといいます。

特別レベルの高い選手はおりませんが、選手一人一人がチームリーダーという気持ちを持ち、選手16名、指導者4名(監督 玉村、コーチ 山川、清水、長侶)と共に頑張ってきました。

平章小学校の団員数は1年生から6年生まで約60名おります。また、各学年男子児童数は約30名いる中、そのうち3分の1がサッカー部に入っております。

指導者も16名おり、そのほとんどが平章サッカー出身となります。
チームのコンセプトは「サッカーを通じて将来は立派な社会人になる。また、どのような環境であってもリーダーとして活躍できる人間となる。」を目標として活動しています。」

各学年、たったの1学年10名前後。都市部と比べると、歴然と薄い選手層です。「特別レベルの高い選手はいない」中で、子どもたちがなぜ、三連覇という偉業を成し遂げられたのでしょうか。

「このまま諦めたくない!」から始まった特別練習

konomama

平章SSSが福井県代表になったのは、彼らが4年生の時でした。さらに、5年生になった年、福井県大会で平章SSSが二連覇を果たします。その年は5年生だった彼らもU-11のJAバンク杯福井県大会で優勝を果たしていたため、周囲には早くも「これだったら三連覇」という声がささやかれていました。

しかし、今年の7月に行われた法人会カップで、1回戦まさかの1-1、PK負け。この結果に一番動揺したのが、選手たちでした。5年生の時のJAバンク杯では、引き分けにすら持ち込まれることはありませんでした。どの試合も2点以上の大差をつけた無失点試合での優勝でした。

それなのに1回戦負け。選手たちが初めて味わった挫折でした。同時に、不安が襲います。なんで負けたのか。今勝てていないのに、全日予選で勝てるのか。三連覇なんて夢のまた夢の話になってしまうのではないか。三連覇という言葉が子どもたちにプレッシャーとなってのしかかります。

プレッシャーとなったのは、指導者も同様でした。3か月後に迫った全日本の予選を前に、「全日本は今年は無理だと思ったこともある」と監督は明かします。

そこから這い上がろうとしたのも、選手たちでした。「どうしても全日に行きたい!三連覇を達成したい!このまま諦めたくない!」という選手の声に押されて、監督は夏休みの毎日の特別練習を行います。選手たちの表情も、心情にも変化がでてきました。特別練習をしても、勝てるようになるとは限らない。でも、やるしかない。その気持ちが選手たちを成長させていきます。

そしていよいよ、福井県大会の日を迎えます。

JAバンク杯 2015 U-11 福井県少年サッカー選手権大会

法人会カップ2016 U-12福井県少年サッカー大会

第40回全日本少年サッカー大会福井県大会

iyoiyo
平章はシードとなりました。3回戦からの登場です。初戦は、ここまで爆発的な得点力を発揮してきた三国との対戦でした。三国は2回戦で9-0の大差をつけて美山に勝利しており、上昇気流に乗った勢いのあるチーム。身体も気持ちも堅かったか、初戦は点を決めきれずに0-0となります。PK戦の再来です。

ここを4-3で逃げ切りましたが、続く4回戦にもまたPKでした。4回戦の相手は武生。法人会カップ1回戦で平章を下した中藤に3-0で勝利しているチームでした。1-1のPKもまた4-3。PKには嫌な思い出しかない選手たちにのしかかった試練でした。

この試練を乗り越えた選手たちを迎えたのは県内の強豪、武南。食い下がる武南をやっとのことで抑え込んだ2-1で、いよいよ決勝に進出します。

決勝は、去年と同じ平章と金津JFCのカードでした。周囲には三連覇の期待が高まる中、いきなり前半11分に美しい金津のゴールシュートがゴール左上に吸い込まれます。平章のクリアボール処理からの失点でした。

ここから平章SSSの猛攻が始まりました。けれど勢いに乗った金津JFCに押され気味のまま、0-1で前半を終了します。全員で必死に攻めあがろうとしても、ドリブルは止められ、ボールが続かない。ゴールを割れない。苦しい時間のまま、後半を迎えます。

ha-hutaimu

後がない後半2分、パスを細かくつないだ平章サッカーからついにシュートが決まります。一度跳ね返されたシュートを押し込み、なんとかドローに持ち込みました。そのまま試合は延長戦。延長戦でも勝負はつかず、またもや勝負はPKです。

PKは4-3。勝敗が決まった時には、選手と指導者たちが抱き合って喜ぶシーンが見られました。

siaisyuuryou

全日本福井県大会はこちら(ジュニアサッカーNEWS)

どうして単独小学校でチームが構成できるのか?

yuusyou
サッカーは人数がある程度いないと練習も満足にできません。もちろん、試合にも出られません。時代は少子化で、人数を集めることに困難を感じているチームもあることでしょう。玉村監督にどうしてサッカー部に入る子が学年の3分の1もいるのか、伺いました。

「単独小学校でチームのレベルを上げる前に、団員数を確保しないと試合もできません。

そうした中、福井県では幼稚園の時から保育園、幼稚園による大会が開催されているため、大会前には保育園等に出向いてボランティアでスクールを開いたりして小学校入学前から園児と触れ合っています。そうすることで園児達が小学校に入学する時には平章サッカーに入ってきてくれるものだと思っております。

あとは、私達の住んでいる丸岡町は人口約3万3千人しかおりませんが、昔からサッカーの町丸岡といわれるほど、サッカー人口が多いという歴史があるためか、今では保護者もサッカー経験がある人ばかりであり、親もサッカーをしていたから息子にもといった環境に自然となってきております。

物心つく前から身近にサッカーがあり、親の代から受け継がれてきたサッカー文化に触れて育つ子たちが、また福井のサッカーを継承していきます。

どんな指導に力を入れているのか?

tannitu単一小学校であるからこそ、外から上手な選手が入ってくる可能性はあまりありません。その分、育成が全てになってきます。平章SSSの育成について伺いました。

「他県に比べて福井県のレベルはまだまだである中、当チームは昔から県内チームの他、石川県、富山県、岐阜県等の友好チームともお付き合いをさせていただいております。そのおかげで選手をはじめ、私たち指導者も友好チームから色んなことを学んでおります。

数年前からは県外のチームからヒントを貰い、平章独自で低学年を対象とした「キープサッカー」を始めました。

これは、小学校低学年年代から足元の技術を身につけ、個人技を磨くことを目的としています。そして、ボールを蹴りっこするのではなく、ドリブルで仕掛けられる個を育てたいと考えております。今では年に数回キープサッカーを開催しており、県内外の友好チームが参加してくれます。

県内のジュニアユースやユースの試合を観ていて気になるのですが、ボールを受ける時のファーストタッチやトラップ、ボールをパスする時のズレなどが目にとまります。

私は、小学校年代では足元の技術を身につけさせ、パスを取り入れたトレーニングは高学年から始めてもいいと思っております。足元の技術を疎かにすると今ほどお話ししたとおり、ジュニアユースやユースに過程が繋がるからです。

トレセンメンバーは何人いる?

「坂井地区トレセン9名(6年生5名、5年生4名)、県トレセン6名(6年生3名、5年生3名)、北信越トレセン0名です。」

普段の選手たちは?

「子供達はクラブチームとは異なり、小学校単独チームのため、普段学校にいる時から練習の時まで殆どの時間を共有し合っています。
子供達の性格は優しい個、おとなしい個、恥ずかしがりや、ユニークな個等、色んな個が揃っています。」

指導者は指導者として、保護者は保護者として

zenntai平章SSSは全団員合わせても60名前後という、小規模な少年団です。小規模な少年団に16人もの指導者がついていますが、この指導者の中に現団員の保護者は1人もいません。

平章はスポーツ少年団であるため、選手、保護者、指導者の三位一体が保てないと活動にも支障をきたします。ただし、保護者が指導者になったり、指導者が保護者の役をしてしまったり、選手の自立=自律を潰してしまうと関係が崩れてしまいます。

小さなタウンクラブは指導者の数が足りないため、現役団員の保護者が指導者になることが珍しくありません。それをせずに済んでいる町のサッカー文化の浸透度もチームの力を支えているかと思われます。

全日全国大会での目標は?

こちらは、キャプテンの森川 諒選手からコメントをいただきました。

kyaputen

森川選手は、
「去年、一昨年と二連覇中に全日で勝てていません。今年、まずは一勝したい」とのことでした。

過去の福井県代表の戦績は、平章が初出場した時に残したベスト16が最高です。

平章SSSはグループリーグでグループBに出場します。沖縄県代表の比屋根FC、岩手県代表のレノヴェンスオガサFC、京都府代表の京都長岡京SSと一緒のリーグです。

悲願の一勝を取れるか。この3か月間で精神的にも大きく成長した彼らの挑戦が、12月26日(月)から始まります!

第40回全日本少年サッカー大会 決勝大会

最後に

「三連覇」の言葉だけを聞くと、強豪チームが難なく都道府県大会をクリアしたように聞こえるかもしれません。しかしそこには、三連覇を本当のものにするために這い上がろうとした選手たちと、彼らを一生懸命伸ばそうとした指導者たちのドラマがありました。そこには、お互いへのリスペクトと信頼がありました。そのリスペクトの姿勢の中に、あらゆる面でサポートを惜しまなかった保護者の姿勢も垣間見えます。

デットマール・クラマー氏の「サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする」という言葉が似あう成長を遂げた彼らの、全国での活躍を応援しています!

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSWriterMiz
東京在住ライター。ジュニアサッカーを見守って12年目突入。群馬県出身。

8月18日(金)から20日(日)まで、駒沢で行われるバーモントカップの取材に行ってます。

1日目、コンサのお母さんに塩分タブレットをいただき(ごちそうさまでした!)、
2日目、茨城ライングループの方に一緒に観戦していただき(ありがとうございます)
津ラピドのお母さんたちにもらい泣きさせられました
(もう…いい人たちすぎる!)。
明日は誰に会えるかな🌟

高校選手権東京都予選も先日観戦してきました。
高校の校庭を使った会場だったので、
同級生たちが校舎2階の窓から声援を飛ばしたりして、
それもまたそこでしか味わえない雰囲気がありました。

雨だったので、校庭は泥の海。女子からは
「もっと近くで応援しようよ!」「泥球が飛んでくるから嫌~!」
と叫んでる声が。

みなさんの「高校サッカー」が、1日でも長く続きますように!

コメント欄

*

今週の人気記事ベスト10

ジュニアサッカー応援団’S

La Meta ラ・メタ
PROJECT OFFER
フレア合同会社
ペナスタ博多
那珂南FC
Return Top